2014年8月30日(土)午後1時45分 山梨県大月市・大月駅に到着(標高358m)
5分しかないものの、フジサン特急に乗れてしまうという。富士急行も同じく、乗車するには特急券を購入しなければならない。富士山駅まで、特急料金は300円。
めぐ「…いいや、乗っちゃえ!」
いたのは元小田急のロマンスカー、あさぎり号で活躍した車両。改造によって特徴の一つでもあったダブルデッカーが抜かれ、3両と短くなってしまった。
もも「写真とか早くしてよ。」
3.大月13:50発→富士山14:31着 フジサン特急11号/河口湖行き クモロ8051
元小田急のあさぎり号で活躍した車両に勢いで乗ってしまった。往時から変わらないハイデッカー車両で、リクライニングシートもそのまま変わっていない。唯一変わったのはヘッドカバーだけ。
めぐ「…乗ろうとは思ってたんだけどね。」
もも「いつよ?乗るとか言っておいて乗らなかったりするんだからさ。」
めぐ「…わかんない。」
もも「ほら…。」
最初に停車するのは都留文科大学前。ご丁寧に標高が503mとも表示される。
めぐ「…よくできてるね。」
大月で見たところ、"トーマスランド号"と思しき普通列車は専用車両ではなく元205系。1本しかない専用車両は検査休みなのか、それとも突発的に運用が変わったのだろうか?
めぐ「こういう切符とか撮るとき、テーブル役立つのよ。」
もも「わかったから。」
山梨リニア実験線の高架橋を眺めつつ、標高を上げていくフジサン特急。そのスピードはというと、実はあまり速くない。線形のよくない上り勾配である以上に、あくまで観光向けの車両だということなのかもしれない。
さく「…景色とかどう?」
なぎ「…今、見てるんじゃないのか?」
都留市ですれ違うのは元京王の車両。富士山寄りの2両は色が違うようだ。
めぐ「…どっちがどっちだっけ?」
もも「…お得意のアレでいいじゃないのよ。」
めぐ「…左座っちゃったからよくわかんなくて。」
都留文科大学前に停車。標高は503mで、特急が停車しながらもホームは片側にしかない。さすがに特急の停車駅は少なく、ここから富士山駅まで通過する。
さく「またゆっくり登るんだ…。」
山の天気は変わりやすいとはよく言われる言葉。最大の目玉である富士山は雲に隠れ、晴れ間をのぞかせる中でもよく見えない。
もも「…急いで失敗だったとか?」
めぐ「まだわかんないよ。五合目で晴れてくれればいいんだし。」
アニメでも登場している三つ峠で、反対列車を待つため停止。
もも「…ホーム反対側だけど?」
めぐ「…周りとかもよくできてた。」
下吉田で成田エクスプレスを待つため停止。寝台客車が1両あり、路線名などと合わせてか列車名が『富士』となっている。
さく「見せてほしいって言ったら見せてくれるかな?」
なぎ「…調べてくれるか?」
さく「…へ?」
https://www.fujikyu-railway.jp/station/timetable.php?no=14
ということで調べた結果、下吉田駅ブルートレインテラスは入場料が100円。乗車券や駅入場券も利用可能で、窓口で入場証を受け取ることとなる。客車の内部は土曜と休日のみ開放される。毎月第1月曜日が休業となり、祝日の場合は翌日が休業。最新の営業状況は要確認のこと。
ついでに成田エクスプレスが、臨時扱いで富士急行にも乗り入れていた件。利用は好調なようで2015年以降、2019年3月改正まで乗り入れは継続。2021年現在は『富士回遊』が定期運行されている。さあ、"富士山"はもうすぐ…。
めぐ「…傘ない。」
もも「傘?」
めぐ「傘、置いたままかも。」
もも「…いい加減そういうのいいんじゃない?」
大月から41分、標高809mの富士山駅に到着。列車はここで進行方向を変え、河口湖へ向かう。
なぎ「またか。」
めぐ「気を付けようとは思ってるんだけどね…。」
もも「絶対あそこよ。大月で5分しかないってなって…。」
めぐ「慌てたかも。」
なぎ「慌てたんだろ?」
さく「…トイレ入っておこうよ。」
なぎ「入っとくか。ここからアレだろうし…。」
今後に備え、早めに用を足すことに越したことなし。
めぐ「あ、水冷た…!」
手洗い場にも富士山の水を使っているのだろう。さて、1本早く特急に乗車したことで乗車予定のバスも早められる。富士登山バスはちょうど1時間間隔なので、富士山駅14:50発に乗ることとなる。トイレタイムを含めて乗り継ぎ時間は19分しかなくなり、昼食はまだまだお預けになりそう。
特急券とともに"行き券"は改札口で回収される。"帰り券"にはフリー区間が図で示されており、"帰り券"がフリーきっぷそのものといえよう。
世界遺産登録を機に、富士吉田から改称された富士山駅。商業施設を兼ねた駅ビルの正面には鳥居が構える。ここから富士登山バス以外にも、各地へバスが出ている。
めぐ「どんなの来るんだろうね?」
もも「アンタそればっかり。」
さく「でもせっかくならちょっとでもいいの乗りたいんじゃない?」
4.富士山駅14:50発→富士山五合目15:45着 富士登山バス/富士山五合目行き F3063
そして乗るのは、ごく一般的な路線バス車両。高速道路を通るわけでもなく、予約もなく乗車できるのであれば当然か。
もも「…何が来ると思って?」
めぐ「…もうちょっといいバス?」
この時間から登山しようという客は少ないようで、車中でハンバーガー類を食べ始めた外国人男性2人組以外にそれらしい装備をした客は見られない。旅行班以外の乗客も4人ほどと少ない。
さく「せっかく来たんだし…。」
もも「そういってももういつよ?」
めぐ「…朝、ネットカフェ?」
食事にありつけない旅行班を乗せたバスは富士吉田の街を抜け、いよいよ山へ入る。
もも「…あれ、動くの?」
めぐ「せっかくだし。」
下調べで書かれていた場所以外にもバスは停車するようだが、降りる客はいないのでスルー。五合目に至る有料道路はマイカー規制中。バスはそのまま通行する。気付けば大月からの標高差が1000mにはなったかと…。
(つづく)