JR東海が民営化後、非電化路線向けにキハ11を投入。ワンマン運転と共に地方線区の合理的な運用を実現させた。ベースは新潟鐵工所の"商品"で、全国のローカル非電化路線へ投入された1つだ。

 ところでローカル向け気動車の"商品"はもう1つ、富士重工業によるものがある。元来"レールバス"という称号に偽りなく、バス用部品を多用して製造されていた。しかし耐久性に難があり、製造費を抑えつつも鉄道車両への"回帰"となる。

 最終的には富士重工業が鉄道車両製造から撤退し、新潟トランシスへ継承。以降世代交代も順次進んでおり、両者を統合させたタイプも登場した。


 前回から続いて考えたのは、東海地区のローカル路線。旧国鉄から転換されたのだから、JR東海のキハ11に統一してみたらどうなるかと。しかし今回紹介する車両は1世代前のタイプで、ブレーキ方式が異なることから併結できない。

 以下前回と同様に、私案を記そう。車両形式は『キハ10』でいいだろうか。個人的には"商品"として標準規格化されても、カラーパターンなどのデザインへ注力すれば個性になると思う。

 で、本題。このタイプは座席のみならず、車体長も異なっている。それぞれタイプごとに分けて記載しよう。

(1)15m級ロングシート

明知鉄道アケチ10,11,13,14 →キハ10-1~4
 明知鉄道で多数派となるのが、1998年に投入された15m級車両。オールロングシートなのは"食堂車"としてテーブルを配置するためで、従来の生え抜き気動車もオールロングシートに統一されている。クロスシートから改造されなかった"12"は2018年に引退した。

 キハ10とするならば、このタイプを基準とすることだろうか。そのまま番号を変えなくてもよかったのだが、JR東海に存在しない形式へ集約という話。せっかくならばこちらを"1"として、順に4まで付番しよう。


(2)16m級クロスシート

長良川鉄道ナガラ303~305,307 →キハ10-301~304
 長良川鉄道は2021年現在、富士重工業の"商品"のみを保有。1998年から7両製造され、クロスシート車両として現在も維持しているのが4両。1両は後述するロングシート車両となっており、2両が観光列車へと改造されている。

 この際なので、車両番号もタイプごとに詰めて再付番しよう。キハ10のクロスシートは場合にもよるが、長距離運用を見越して長良川鉄道へ集約させたほうがいいのでは?


(3)16m級ロングシート

樽見鉄道ハイモ295-315 →キハ10-100
 気付けば樽見鉄道で古参となった。池田満寿夫がデザインした外部塗装も特徴。輸送力重視でオールロングシートが継承されており、明知鉄道と同様の"食堂車"として運用されることも考慮した格好か。(こちらは団体列車の扱い。)

 とりあえず1両しかないことから、あえてここは末尾を"0"にしてみる。

長良川鉄道ナガラ306,501,503 →キハ10-101~103
 長良川鉄道で前述しなかった"306"は、イベント兼用を見越してオールロングシートとなる。2007年から投入した車両も富士重工業の"商品"だが、同事業を継承した新潟トランシスによって製造された。厳密にいうと、後者はわずか0.5mながら車体長が大きくなっている。

 樽見鉄道の車両を"100"としたため、101から付番しよう。長良川鉄道における"食堂車"は後述する観光列車が担うため、こちらは出番がなさそう。樽見鉄道の"ヘルプ"を担うには十分だ。


(4)18m級クロスシート
樽見鉄道ハイモ295-617 →キハ10-351

 三木鉄道が廃止された際、樽見鉄道に編入された1両も富士重工業の"商品"。クロスシートから改造されることはなかったため、少々存在が浮いてしまったか。長良川鉄道で18m級車両の乗り入れが可能ならば、トレードも視野に入るのだろうが…。

 

 

天竜浜名湖鉄道TH3501 →今回の私案に関係することなく引退
 天竜浜名湖鉄道にも1両在籍していたため、一応こちらについても記述しよう。少数派で運用が限定されていたところ、2020年末になって故障で再起不能に。そのまま引退することとなった。マリメッコの装飾については継承されるという。


(5)18m級ロングシート

樽見鉄道ハイモ295-516 →キハ10-301
 樽見鉄道の"ハイスピード・モーターカー"も、製造元が新潟トランシスへ1本化。エンジン出力から由来しているハイモ295は同じながら、車体長が18mとなったため番台区分を変更。下1桁が通番なのがなんとも…。


(6)観光列車『ながら』

 

長良川鉄道ナガラ301,302,502 →キハ10-601~603
 今回記述する中でも異彩を放つのが、長良川鉄道で2016年に改造された観光列車『ながら』だろう。JR九州でもおなじみ、水戸岡鋭治によるデザインを受けて大改造。座席形状の是非はともかく、運用は分けられている。


 まあ要するに…、例のごとく途中でまとまらず飽きてきたって話。お付き合いいただき申し訳ない。
(おわり)