2017年1月9日(月)午後7時14分 岩手県一関市・一ノ関駅に到着
気仙沼から84分、大船渡線は景色をほとんど見られないまま乗り通してしまった。
めぐ「乗り直しかな…?」
もも「…それはいいけどさ、今度ぐらいはちゃんと一本松も調べてよ?」
待合所の入口が、なんとなく店のそれっぽい。中は立ち食い店やコンビニ売店が入っており、間違いではないのかもしれない。
せっかく40分あるのだから、外にも出ておきたい。冬らしく彩られたイルミネーションが、闇夜に輝きをもたらす駅前。
さく「…それで?」
なぎ「…振るなよ。」
正面も忘れずに収めよう。2012年に着いた際は在来線の最終を過ぎていたため、仙台まで新幹線を利用した。
もも「いいけど寒いから早く中入ってさ。」
めぐ「…食べようかな?」
仙台は9時半過ぎの予定となっており、ここで何か食べておきたいというのは当然の考え。
さく「ただでさえアレなんだしさ…、今日なんか昼に誰かかぷめんで朝昼1人1000円切ってるし。」
なぎ「…おかしくなってる。ってか、かもめどこいった?」
さく「そんな恨まないでよ、スイーツしない女子さん。」
(IC)カレーそば(一ノ関駅待合所/菜のはな) 440円
(IC)ライス(一ノ関駅待合所/菜のはな) 110円
(IC)きつね(一ノ関駅待合所/菜のはな) 単品70円
そばつゆの上に業務用カレーをかけるという、ある意味正しい使い方を見せてくれるカレーそば。添えるのは味がしみこんだ単品きつねと、恒例の白飯。立ち食いは手軽さが重要なので、寒い夜に温かいものを食べられるというのが最高の至福。飛び抜けたものは全くいらないのだ。
めぐ「…熱くなっちゃったかも。」
いたのは引退迫る719系0番台。クロスシートは変則的な配置をしており、モノ自体が硬すぎない上質なもの。古めかしく思えてしまったのは、ある意味E721系の功罪か。
27.一ノ関19:54発→仙台21:35着 普通546M/仙台行き クモハ719-35
実は正面から見て奥にあった新幹線。昨年は往復とも通過しているので、実質2012年以来となった一ノ関。方向感覚もつかまないまま、空席を多く残して発車する。
めぐ「…あれ、向き違った?」
もも「いいんじゃない?どうせ空きまくりなんだし。」
2012年に仙台から一ノ関に向けて乗った際と同様、夜間となったため外の景色は見られない。単純に言い換えると、…することがない。次があるならば、仙台を朝出て一ノ関を回って大船渡線BRTだろう。
めぐ「横になるのはどうかと思うんだけどね…。」
なぎ「…本当にすることないんだな。」
もも「…花の水やり忘れてない?口開けて待ってるじゃない。」
719系の台車は旧車両から流用しているため、走行機器は車体以上の老朽化が進んでいるという。ついでに同様の台車を用いた413系(JR西日本,あいの風とやま鉄道)は、台車を新製して継続使用するらしい。
めぐ「…横はやっぱりきつい、かえってダメなっちゃう。」
なぎ「…じゃあ横なるなよ。」
さく「横なってみてダメだったから、ダメってんでしょ。」
名目上、仙石線との合流点になった松島。実際は仙石線のホームがなく、高城町から塩釜までは無停車となる"仙石東北ライン"。ここから松島海岸へは一旦塩釜に出て、高城町で2度目の乗換えをしなければならない。距離に対して非常に複雑であるため、徒歩が最善となってしまう。
101分の夜間走行を経て、719系と旅行班は仙台に到着。ひとまずこれで、3日目の予定は全て終了。あとは…?
めぐ「延長入りまーす。」
28.仙台21:38発→太子堂21:44着 普通274M/新地行き クモハE721-1004
隣には新車がいたので、延長戦というかアディショナルタイムというか。乗りたくなるのが宿命だから、やめられない。
さく「ちょっと乗るだけでしょ?適当でいいじゃん。」
E721系の基本となる低床構造は変わらず、4両で1編成を組む1000番台。最近の新車らしくLED照明を採用しており、光度アップと消費電力低減を両立させている。719系の置き換えは、中間連結部に相当する定員数を増加させるためでもあったのだ。
長町からもう1駅先、太子堂で降りよう。高架構造と相まって都市部の新しい駅らしさを見せている。することはないので、そのまま折り返す旅行班。
もも「…なんか随分端折ってるけど。」
なぎ「…することないって言ったろ。」
29.太子堂21:50発→仙台21:57着 普通1373M/仙台行き SAT721-101
とりあえず来たものに乗ろうとして、来たのはE721系500番台。その後ろに仙台空港鉄道の車両が連結されており、仙台行きは駅の案内だけで見分けがつかない。仙台から名取方向は東北本線,常磐線(先程乗車した),仙台空港線に分かれるため、3色が使い分けられる。
ついでに考えたのは、E721系をベースとした快速車両。首都圏ほどの混雑に対応させる必要もないため、転換式クロスシートを備えた車両を導入して快速列車に用いればどうかという話。現在の快速は3往復とも通常と同じ車両(701系,E721系など)が用いられ、停車駅もダイヤ改正ごとに増えている。実際はかつて休日に停車駅の少ない快速が設定されており、急行車両だった455系が(普通列車共々)用いられていた。
もも「…やめといたほうがいいんじゃない?」
めぐ「…いいと思ったのに。」
往復合計19分で、太子堂から戻ってきた。これにて2017年冬季の『青春18きっぷ』は終了。
さく「もういいでしょ。」
めぐ「…ないけど。」
夜10時の仙台駅。立ち食い店のメニューは充実していたものの、タイミングが悪かった旅行班。あとは地下鉄で勾当台公園へ向かう他ない…。
もも「こう書いちゃうと一ノ関パスしたほうがいいとかってなっちゃうんじゃない?」
なぎ「それはないだろ。せっかく寒いとこから入って、熱いカレーそばなんだし。」
利用客が転落するのを防止するために有効とされるホームドア。地下鉄は車両規格が定められていることが多いため、導入しやすいとされる。仙台市営地下鉄は他社との直通運転を行わないため、早期に導入が完了している。
30.仙台22:15発→勾当台公園22:18着 泉中央行き 1207
昨日から3度目となる地下鉄南北線で3分、勾当台公園に到着。
さく「…ここはいいでしょ。」
(IC)仙台市営地下鉄運賃:仙台→勾当台公園 200円
朝入れた荷物をコインロッカーから取り出そう。今日JRで移動した距離は375.8kmであり、これは南千歳から塘路までの片道より44.1km長い。
朝と異なる出口から地上に出よう。夜10時半ともなれば店も閉まり始め、裏通は暗い。
めぐ「なんかちょっとコワいかも…。」
もも「…こっちでいいの?」
さく「多分いいんじゃない?」
こうして昨夜と同じネットカフェで1泊し、最終日を迎える…。
(南東北に愛をこめて… つづく)