2017年1月9日(月)午後4時33分 岩手県陸前高田市・奇跡の一本松停留所に到着
気仙沼から28分程度。名称となったスポットから離れた位置に設けられたバス停に到着。バスが国道を経由しているためか、中途半端な印象を覚えてしまった。
めぐ「あんまり時間ないんだよね、今回。」
もも「だから、何度も言ってるわよ。こういうとこもっと調べなさいって。」
交差点には、その名も『一本松茶屋』なる建物。すっかり日も暮れ、明かりが美しく灯る夕方4時半過ぎ。
さく「本当、早いとこ見ようよ。一本松。」
なぎ「あんまり慌てるなよ。」
信号のある交差点を渡ろう。雨上がりで足元が悪く、歩きにくい。
めぐ「…引き分けってことで。」
なぎ「何を根拠にしてんだ?」
渡った先に反対方向のバス停があり、帰りはここから乗車することとなる。発車は17:00なので、滞在時間自体が30分に満たない旅行班。
さく「でも乗り遅れたら本当、次2時間後とか…。」
もも「そんなさ、両極端な選択しかないほうがおかしいの。わかってる?」
バス停の名称に反して、一本松は結構遠い。歩いてさらに10分はかかるという。
なぎ「…ま、アレなんだろ?次もっと見ようとか。」
もも「そうならいいけどさ…、いつなるかわかんないくせに。」
その途中にあったのは、公園の門石だろうか?
めぐ「…なんだろうね?」
もも「アンタよ!いけないのは全部。乗りたいもんばっかりで、観光名所手出したら時間配分考えなくってさ?」
さらには何かと使えそうな、屋根つきベンチスペースとかも。
もも「休憩もできやしない…。」
さく「でもやめられない。」
もも「そりゃ…、ね?」
かつて千本の松が植えられていたという防潮林。幾度となく高波から護ってきた松林も、震災の大津波には"歯が立たず"全滅。その中で奇跡的に1本だけが生き残ったため、陸前高田市にとって希望の象徴となった松。
めぐ「ここが限界っぽいね。」
しかし地盤沈下などにより塩害が進行し、状態は悪化の一途をたどる。保存のためやむなく伐採された後、各種処理を施されて元の位置に戻された。現在はモニュメントとして、日没後に根元からライトアップがなされる。旅行班は時間の都合上、やや離れた位置からカメラをズームアップして撮影。
さく「…これわかる?」
もも「…わかんないんならやってないんじゃない?」
さあ、実質的に残り10分。国道上のバス停まで戻らねば。
もも「感傷に浸る余裕すら与えないんだもん…、この人たち。」
なぎ「もういいだろ、いい加減。来たくなったら1人でも…。」
さく「でもやっぱりこういう形がいいよ。なんだかんだで落ち着くし。」
どうにか時間に余裕をもって戻ることができた。ついでにこのバス停ポール、携帯カメラの設定を変えてないのに撮影してしまったためサイズが大きくなってしまった。
めぐ「…ごめん、例のパターンかも。」
もも「…いいんじゃないの?次2時間後ってなったら帰れないんだし。」
さく「逆によかったかもよ、将来的な希望と憶測だっけ?」
なぎ「夢と希望をお届け…、しないな。」
25.奇跡の一本松17:00着→気仙沼17:26着 普通BRT118/気仙沼行き Y537-12516
時刻表に特記事項がないため、通常の車両だと容易に判別可能。そして乗るのは気仙沼線と同様、ハイブリッド車両だ。夕方5時を回り、すっかり外の景色も見られなくなってしまった。
さく「次あるなら、もっと時間をとる。これに尽きるってことだね?」
めぐ「…全部乗ってからかな?」
もも「わかってるのに元戻らないの。」
BRTで共通なのは液晶画面の運賃表や、機械音声といったワンマン用装置。レイアウトは名鉄バスと同様であり、音声はより自然なものとなっている。
さく「…何かない?」
めぐ「…さっきの残りある。」
気仙沼で購入して少し食べた後、残っていた『かもめの玉子ミニ』。黄色い餡をカステラで包み、ホワイトチョコレートをコーティングしている。この手の地方銘菓では久々に甘味が強い。
なぎ「これ手強いんだよな…。」
さく「最近甘すぎないのが続いたからね。」
めぐ「…結構好きだよ?」
ルートそのものは往路と全く変わらず、国道45号を主に進んでいく。途中でバイパスに相当する自動車専用道路を少し走行。そのまま専用区間まで戻り、鹿折唐桑で1人乗る。
奇跡の一本松から26分ほどで到着。駅全体の平面移動が可能になったことで、使われなくなった跨線橋が気仙沼にも残っている。立て札だけで閉鎖はされておらず、上がることはできるようだ。
さく「これ次バスじゃないから逆にわかんなくなるかも。」
もも「アンタらなんだかんだで詳しいからわかんなくならない。」
ホームでもポケモンたちがお出迎え。
めぐ「…パックンフラワーとか。」
なぎ「合わせるってなら?」
もも「主役いないんだしやめなさい。」
26.気仙沼17:50発→一ノ関19:14着 普通340D/一ノ関行き キハ100-37
盛岡支社の管轄となっている、一ノ関の2両に乗り込もう。柳津まで乗ったキハ110と同タイプながら車体が短く、ボックスシートは2列2列で青色系モケット。他にも西日本で見られる前頭部の転落防止幌を設置。
なぎ「…寝るか?」
もも「…寝たら?」
めぐ「…寝てなかったし。」
さく「…適当に起こして。」
もう、外の景色は見られない時間。北上線でほっとゆだに向かった際と同様、せっかくの乗車機会でも実感がわかなくなってしまう。さすがにこれではよくないだろう。1つ言えるのは、この路線は様々な思惑が働いて線形を悪くしていることか。
(つづく)