2017年1月9日(月)午前11時5分 宮城県牡鹿郡女川町・女川駅
派手なラッピングには『ゆめのまち列車』とある。調べたところこれは女川町の小学生が、絵本作家の荒井良二さんと共にデザインしたものだという。
なぎ「…これ絶対ノート写せねえだろ。」
めぐ「…一応、下にゆめのまちって書いとくよ。」
21.女川11:10発→前谷地12:13着 普通1632D/小牛田行き キハ110-106
復路はクロスシートが全てボックスシートとなっており、座席色も赤系となっている。往路とは逆側に座ろう。
もも「まあ座ったら座ったで…。」
めぐ「…どうかな?」
さく「どうって、座れてよかったとかじゃなくって?」
復路は海と反対側になり、山めいた雰囲気。座りとしては同時期登場のJR東海キハ11と同様であり、5年弱前での"違和感"が何だったのか記憶が抜けていたり。
めぐ「…おかしいのよ。」
なぎ「…何がおかしいんだ?」
めぐ「なんかね…、前乗ったとき妙に弾力って言うかな?柔らかかった気がするのよ。」
なぎ「それ、背もたれじゃないのか?」
めぐ「背もたれはね…。」
仮設住宅が残る。震災の規模なのか、仮設住宅のレベルに生じた差が気になって仕方ない。基本的には長屋であり、実用重視のプレハブ構造が多い。中には住宅メーカーが関与したのか"ハイグレードタイプ"もあり、最後に完成したという女川町のそれはコンテナを流用した3階建てとか…。
女川から25分。石巻で17分停車するので、これを利用して昼食を買っておきたい。
さく「ま、コンビニでいいでしょ。」
ところが肝心のコンビニにモノはあまり残っておらず、弁当はほぼ全滅といったところ。
もも「…どうすんのよ?」
なぎ「これ…、パスしたら1日中飯抜きになるな。」
モノを選ぶ時間などを費やしてしまった。これで5年弱前に購入した『ちゃきん』や『ずんだ大福』は、探すこともできなくなってしまった。とりあえずモノは確保できたので、車内に戻って食べようか。
(現)俺の塩で俺は勝つ・鶏しお焼そば(東洋水産) 184円
コンビニにはカップめんがあり、給湯器も備えられている。特に『俺の塩』は茹で時間が1分なので、モノがない中で選択したということ。とりあえずは、鶏肉団子入りのカップ塩焼きそば。
さく「…カプメンって何さ?」
めぐ「これしかなかったもん…。」
(現)手巻きツナマヨおにぎり(ニューデイズ) 108円
カップ焼きそばにはどうしてもご飯を合わせたくなる。なんだかんだで、通常のツナマヨも手を出すもの。ここでは温めてもらえた。
(現)ゴールド肉まん(井村屋) 158円
高級志向な上位種とあって、肉々しさを味わえる。ただ同じメーカーが製造しているというだけで、ファミマプレミアム肉まんと比べたくなってしまう。
もも「あ、そうなの?」
めぐ「1回食べたらわかるよ。」
石巻を発車し、仙石線が離れる。市街地から離れると旧北上川に接近。仙石線が復旧する前は小牛田を経て仙台まで、途中無停車の直通快速が運行されていた。
三陸自動車道は高速道路規格にして、無料で通行できる区間が多い。これは国道45号のバイパスとして、国土交通省が管理しているため。
もも「本当、道路好きなのかバス好きなのかさ…。」
さく「だから最後バス選んだんでしょうに。」
特に何かあるというわけでもない景色。
なぎ「…じゃあ写真なしでパスしろよ。」
石巻から21分で前谷地に到着。
まずは例によって駅の写真から押さえよう。田舎にはよくある平屋建てで、規模は大きくない。
さく「ま、こんなもんじゃない?」
もも「こんなもんって…、他に何かないの?」
駅前にロータリーといったものはないものの、ここからバスが発車するため専用スペースは設けられている。
めぐ「…あんまりこのフロントマスクって言うか、好きじゃないのかもね。」
後ろからも見ておこう。気仙沼線のBRTに用いられるのは日野製ハイブリッドノンステップ車両であり、いすゞとの合弁会社が製造する通常ディーゼル車両と異なる形状。赤をベースに、リスのキャラクターが入っている。
駅前通りはどうだろう?とりあえず見る限りでは、入れそうな店は1つぐらいしかないというか…。
もも「こんな真昼間に人もいないんだもん。」
さく「これさ…、わざと人写らないようにしてるんじゃないんだよね?」
めぐ「一応写らないようにしてるんだけど、1人ぐらいならタイミングとかで。」
駅前通りから1つ外れると、何かあるだろうか?
もも「…アンタら絶対調べる気ないでしょ。」
何もなさそうだと考え、駅に戻ることとした旅行班。周辺では小規模な宅地開発も進められている。
なぎ「傘あってよかったな。」
さく「そういや、雨やんだね。」
バスの運賃表は鉄道に準じており、運賃そのものも鉄道のそれを引き継いでいる。柳津までは鉄道も並行するため途中駅に停車せず、記載がない。
さく「結局こうなる運命でしたと。」
なぎ「…そうなったな。」
めぐ「まあ、見れただけよかったよ。」
もも「そうよ、そもそも雨降って見ないなんってなったらさ…。」
結局はトイレに入っておく程度に終わる前谷地。設計も古いままなので、温水洗浄便座といったものなどない。
もも「…別にトイレで埋めようなんてさ?」
通常色のキハ110が1両で折り返す。車内はやはり2列1列のボックスシートがメインであり、座席モケットが車両ごとに異なるのも特徴といったところか。
さく「…投げやりになってる。」
めぐ「…ここ何もないし。」
(つづく)
「ここで一旦休憩しましょう。続きは前谷地から、また北上するルートね。」