2017年1月9日(月)午前8時42分 宮城県牡鹿郡女川町・女川フューチャーセンターCamass(カマス)
駅前にもう1つある建物。これはどうも活性化のために設けられた交流スペースらしく、イベントも開催されるとか…。
さく「もうダメでしょうよ、雨ばっかりだし風強いし。傘もアレだし。」
ということで、駅前観光はこれにて打ち切り。温泉が開くのは9時なので、それまでは駅1階の待合室で過ごそうか。
もも「結局いつもと変わんないじゃないのよ。」
めぐ「…そうなっちゃうね。」
なぎ「まあ、見れただけいいだろ。」
さく「そうだよ、そもそも温泉で終わるはずだったし。」
まだ時間があるので、展望デッキに上がってみよう。2階部分にはガラス張りの扉があるものの、非常用であるためか閉じられている。
3階は特に何もなく、展望スペースがあるだけ。実質的には屋上部分であり、そこへ屋根があるため雨に濡れずに済む。
もも「本当、誰のおかげでこうなったのか…。」
展望デッキから海のほうを眺めてみる。津波に襲われ、壊滅状態に陥った女川の港町。あれから6年を経て商店街等が完成し、着実に復興が進みつつある。天気が悪くあまり見られなかったという言うべきか、仙台の出発を早めたために見られたと言うか。
線路のほうをみると、こちらはまだ見た目にも復興半ばといったところ。未来が楽しみな反面、次がいつ来られるかわからないという現実もある。さあ、そろそろ時間か。
さく「あ、もう行くの?」
めぐ「行くってか、温泉だけど。」
(現)女川温泉ゆぽっぽ 大人500円
高畠と同じく駅舎に直接入居する、町営の温泉施設。タオルは別に用意する必要があるものの、シャンプー類の備え付けはある。入浴料で休憩室も利用できるので、高畠で休憩室利用とした場合と全く同じ条件と価格になる。
入口は1階にあり、2階へ上がる階段の手前が物産コーナーとなる。2階に上がると、浴場(脱衣所)と休憩室に分かれる構造。とりあえずは入ろうか。
もも「…あ、変な期待しないでよ?いつ発表できるかわかんないし、画とか入れようったって面倒臭いとか言うし。」
浴室はそこそこの広さ。手前にある円形の浴槽は沸かし湯であり、奥にある四角い浴槽が温泉となる。震災前の建物内部にはほっとゆだと同じく信号機があったものの、新しい建物ではそれがなくなってしまった。
めぐ「なんか…、ね?」
なぎ「アレな…、見たいなら見たいで茹で上がったりとか。」
さく「茹では上がらないでしょうよ、40度とかそういうぐらいでさ。」
めぐ「そうだけど…、でも休む時間はいるのよ。」
もも「じゃあ好都合なんじゃない?」
露天風呂は震災前から存在しなかった。
めぐ「夏とかだと、プールあるじゃん?」
もも「プール?アンタら行かないのに?」
めぐ「私は思うのよ、実はあんまり変わんないんじゃないかとか。」
もも「まあ、冬ならいいんじゃない?」
入浴後は休憩室へ。畳敷の大広間となっており、壁面には大型テレビ。名古屋で放送していない東京の番組や、仙台のローカル番組を見つつ過ごそう。見たところ、地元の方が少々いる程度か。
さく「一応、これで昨日と同じになるね。」
めぐ「まあ…、一応ね。」
もも「…アンタ絶対狙ったでしょ。」
なぎ「書いてあるだろ、休憩室とか。」
さて女川を出てからは石巻まで戻り、そのまま石巻線で前谷地へ向かう。その次は、この日3つ目の目的となる気仙沼線…。
もも「ああ、BRTっての?」
さく「それだけど、もうちょっと先。」
気仙沼線のうち、前谷地から柳津までは鉄道として通じている。柳津からはBRT、単純に言うと"代行バス"に乗ることとなる。これも前谷地から発車しており、柳津までは途中駅を経由せず直行する。
もも「…別に前谷地からでよくない?」
めぐ「まあそこからでもいいけど、できるだけ鉄道使うのかなって。」
BRTは"代行バス"であるため、青春18きっぷで利用できる。その特有設備とは何か。
さく「ガイドウェイバスわかる?」
もも「ガイドウェイはわかるけど、アレじゃないんでしょ?」
めぐ「ガイドウェイじゃないけど、それっぽいの。」
ガイドウェイバスのようでガイドウェイじゃない。
さく「基幹バスもわかる?」
もも「基幹バスは乗ったでしょ、ドームから瀬戸だっけ?」
なぎ「それで何か変わったもんあるだろ。」
もも「…あ!」
名古屋市内の特徴的な、2つのバス路線。共通する"キーワード"は『バス専用』。そしてこのBRTも、それを持ち合わせているのだ。
さく「アレさ、線路あったとこなんだよ。」
もも「ああ…、なんかみたことあったわそれ。」
めぐ「そうでしょ、それでね…。」
もも「アンタはちょっと落ち着きなさい。」
気仙沼では、同じくBRTとなった大船渡線へ。向かう先は『奇跡の一本松』。
もも「いいけどさ…、またアンタのことだし何かやらかしたりとか?」
めぐ「…わかんないよ?」
なぎ「…内心期待してるだろ。」
希望のシンボルを見られるのか見られないのか。その後は気仙沼まで戻り、鉄道として通っている大船渡線で一ノ関へ。あとは仙台まで、東北本線で戻るという3日目。
さく「ま、こんな感じでいきましょう。」
もも「そうよね、誰がこういうプランニングしたかとか気にしないでさ。」
ともあれ、これにて"BRT講座"はおしまい。休憩時間も長くとれたのでよしとしよう。
もも「最初の計画が甘いばっかりに…。」
なぎ「もういいだろ。」
復路は同じキハ110の2両ながら、往路と異なり通常色がメインのプラグドア。そして往路と異なり、ワンマン運転を行う。前にいたのは…?
もも「まーた変なの狙っちゃって。」
(つづく)