2017年1月8日(日)午後4時47分 山形県山形市・山形駅東口
恒例行事と言いつつ、西口で終わらせるのもよくなかったとリーダー。曲がりなりにも県庁所在地の玄関として、東口も忘れてならないもの。やはり都会らしいのはこちらであり、バスも多くはこちらから発着する。
東口には駅ビルもあり、改めてメインがこちらだと思わせる。直結している東西自由通路『アピカ』には屋根があるので、雨や雪によって濡れることはない。
めぐ「…以上!」
もも「あ、ちょっと!終わるの?」
12.山形16:53発→仙台18:15着 普通834M/仙台行き クモハE721-37
仙山線の1本早い普通に乗ることが出来てしまった。元々は17:59発の快速を予定に組み込んでおり、唯一となる山寺まで各駅に停車するものであった。車両はE721系の0番台を2本つなげた4両で、10年前の719系から変わっている。
高畠の売店で購入していた『秘境の湧き水』。硬度が119と高めであり、軟水と比べてミネラルが高い分飲みにくい。
もも「そうそう、花には水やらなきゃね。」
さく「それでだけど、…ヴィッテルってどうよ?」
なぎ「いきなりだな…。」
めぐ「アレって硬度どれぐらいかわかんないけど高くって、…なんであの時おいしかったんだろう?」
山形から並列していた、線路幅の異なる単線。羽前千歳を前にして左右が入れ替わり、そのまま停車する仙山線。ここで奥羽本線から離れ、山へと入っていく。フランスの水『ヴィッテル』は硬度が315と高く、軟水慣れしている人にとって飲みにくい。
さく「…いつの話?」
めぐ「もう10年ぐらい?」
もも「またそんな昔話ばっかり。」
なぎ「暑いとこで水飲んでなかったとかだろ?」
雪深いところを通っているE721系。外はすっかり暗く、遠くの景色は見渡せない。山形から宮城への県境は長いトンネルを介する形となっており、途中には列車交換が可能な箇所が設けられている。
いつの間にか寝ていたようだ。愛子まで来ると雪はすっかりなくなっている。ここからは住宅が多くなり、本数も増加。快速の多くが各駅に停車するようになる。高台を走り、右側の景色が開ける箇所も時折。
10年前、第1次東北旅行の時点ではまだ完成していなかった東北福祉大前に停車。ここまでの反対列車が混雑模様を見せており、気づけばこちらも乗客が多くいたりする。
なぎ「…どうかしたか?」
めぐ「次なんだけど…、4分しかなくなっちゃって。」
もも「4分はいいけどさ、高城町ってまた女川行くとき通るんじゃないの?」
さく「ちょっと乗ってないとこ1つあるんだよね。」
仙山線の全区間を、通過駅なく82分で走破したE721系。東北地方最大の駅たる仙台では乗り換えのため、4分しかいられない。これから乗るのは、あくまで仙石線の松島海岸から高城町まで1駅間。
13.仙台18:19発→高城町18:45着 快速5553D/石巻行き HB-E211-7
時刻表を見直した結果、仙石東北ラインの快速で高城町に一旦向かうのが効率よい乗り継ぎだと判明。石巻を経て女川へ向かう前日にして、先行登場となったハイブリッド快速車両。時間も時間であるのか、4両に結構な客が乗っているようだ。
さく「…適当でいいよね?」
めぐ「いいけど…、とりあえず乗ったのだけ流させて。」
キハE200量産タイプの1つにして、3ドア片運転台車両のHB-E210系。車内はE721系と同じボックスシート主体ながら、ハイブリッド装置のためにボックスが少なくなっている。壁面も木目でなく、案内装置が常にスクロール状態など異なる箇所も目立つ。照明はLEDが採用された。
キハE200と同じシリーズ式であるため、発車の際は内蔵バッテリーでモーターを駆動。その後にエンジンを動かして、モーターなどに用いる電力を発生させるもの。特にこの快速(赤)は塩釜まで無停車走行するため、通常のディーゼル気動車さながらに飛ばしてくれる。ついでに、元々計画に組み込んでいた19:26発の列車番号は"5555D"とゾロ目であった。
塩釜に停車すると、次は高城町。駅の表記も『松島』と『高城町』が併記されており、路線色も水色(仙石線)と緑(東北本線)が共存。車内にある液晶画面は、ハイブリッドシステムの動作状況を示すもの。エンジンはモーター駆動に用いるものであり、同時に内蔵バッテリーへの充電を行う。
厳密に言うと、路線としての『仙石東北ライン』は松島から高城町まで0.3kmと短い。松島付近で隣接していた仙石線(直流電化)と東北本線(交流電化)を直結させ、仙台から石巻への新たなルートとなった。松島にはホームがないため、塩釜から高城町までが『仙石東北ライン』として扱われる。電化方式が異なるためこの0.3kmは電化されておらず、気動車以外に対応できない。この短区間、速度は非常に遅い。
とりあえず、試乗感覚での26分が終了。仙石線ホームに合わせているためE721系と比べると床高は高く、東北本線で段差が生じる。車体(実はE129系と同等?)は両路線の色である青と緑だけでなく、桜色を用いている。
めぐ「…かきにくい。」
もも「アンタのノートに色塗るためにあるわけじゃないの。」
高城町も同じように、駅名標の隣駅に『松島海岸』と『塩釜』が併記されている。モノ自体はLEDを用いた最新式。
なぎ「…だけだな。」
さく「…だけ。」
外が暗くとも、お約束を忘れない旅行班。三角屋根の駅舎は大きくなく、待合所に窓口と券売機があるというもの。周辺は店が1つある程度で、他は何もわからない。余った時間は、人のほとんどいない待合室で静かに過ごそう。
(つづく)