2017年1月8日(日)午前11時54分 福島県福島市・福島駅

 共通運用されて連結運転した、E721系ワンマン編成と701系。従来設計の701系は交流線区用ホームと比べて床が高いため、ドア部分に段差がある。対してE721系は設計が見直され低床構造となったため、ホームとの段差が解消された。
もも「こんなとこでワンマンじゃやってけないでしょうに。」
なぎ「…そうかもな。」
さく「何、今の間?」

 ここから東北本線を離れ、奥羽本線(山形線)を山形へと向かう旅行班。乗る予定の米沢行きまでは57分あるので、ここで何か食べておきたい。駅前に出ると、聞き覚えのある楽曲が聞こえてきた…。


 12時に流れていたのは、夏の高校野球大会歌『栄冠は君に輝く』。作曲したのは福島市出身の作曲家、古関裕而。東口にあるモニュメントは、生誕100年を記念して設置されたもの。
めぐ「もう1ついいかな?」
もも「もう1つ何よ?」
めぐ「去年新幹線、福島で乗り換えたのよ。」
なぎ「そういえばな…。」
もも「あのアンタが色々乗りたいって言った細かいヤツね。」

 昨年の東北新幹線における4本乗り継ぎ。福島で3本目(E2系やまびこ)から4本目(E3系つばさ)へ"座席移動"の際、発車時に『栄冠は君に輝く』が流れている。これも古関裕而生誕100年を記念してのこと。
さく「あ、そうだっけ?」
なぎ「またネットで調べたとかじゃないよな?」


 恒例行事を忘れない旅行班。曲がりなりにも県庁所在地とあって都会の雰囲気を持つ福島、在来線側にあたる東口はバスが多く発着する。
さく「ま、いいからさ。何か食べるものとか。」
もも「そうよ、そのパックンフラワー?腹空かせて待ってんだし。」


 ということで、昼食に選んだのは…?
めぐ「ちょっと冷たいものばっかりだったし。」


(現)福島味噌ラーメン(らーめん粋家) 800円
 名物とか限定とかあれば、見逃すはずはない。選んで出てきたのは、野菜たっぷりの味噌ラーメン。しばらくぶりの温かい麺類もそうだが、食べておきたい野菜が大きかったり。あっさり食べられてしまう。

(現)まかないチャーシュー丼(らーめん粋家) 300円※Cセット
 米も欠かせないので、せっかくだからと追加。肉ご飯はラーメンの添え物としてだけでなく、単品(320円)でも十分戦力になり得る存在だ。


なぎ「…これで1100円使ったろ。」
めぐ「…使っちゃったけど?」
もも「…別に何も疚しいことなんか考えませんけど?」
さく「…ま、次も座りたいんだしさ。」


(現)フロムアクア(JR東日本ウォータービジネス) 110円
 乗り込む前に、そのまま東北本線を進む場合に乗ることとなる快速仙台シティラビット5号。719系0番台の2両を2つつないだ4両で、今後はE721系に置き換えられるという。水分が尽きているので、買っておこう。


9.福島12:51発→米沢13:38着 普通441M/米沢行き クモハ719-5005
 そして米沢行きも719系だが、こちらは標準軌専用5000番台の2両。一部機器を旧車両から流用した0番台と異なり、走行機器も完全新製されたものである。座席配置は同じであり、クロスシートが変則的なものとなっている。車端部など、ロングシート部分は211系などと同じもの。発車前にして結構混雑気味なので、適当にポジションを確保しよう。
さく「…おっかしーな。」
もも「アンタらも考えなさすぎ。」


 発車して程なく市街地を抜け、庭坂までは平坦な田園風景の中を進んでいく。午後になり、次第に曇ってきた福島市内。福島から米沢までは普通列車の本数が少なく、プランニングに苦労するもの。


 庭坂からは上り坂となり、平野部を見渡すような構図となる。勾配は最大で33‰(パーミル、距離1000mにつき33mの高低差)とのこと。
めぐ「…またうまくできない。」
なぎ「落ち着け。」
めぐ「落ち着いてたらカメラ電源切れてるし、入れなおして過ぎちゃってる。」


 山深くなり、辺りに雪が見られるようになった。途中にある赤岩は冬季休業だったところ、2017年からは通年で営業を行わず全列車が通過する。あと2駅…。


 雪深くなる奥羽本線(山形新幹線、山形線)。この板谷峠は難所とされ、人の気配がほとんどない。この区間、定期利用もほぼないだろう。途中で県境をまたいでおり、旅行班にとっては10年ぶりの山形県入りとなる。


 板谷に停車する719系。険しい峠越えに備えてかつてはスイッチバック構造となっており、現在もその痕跡が見られる。待合所らしきログハウス状の建物が印象的。それにしても、庭坂からの実質1駅間で景色がこうも違うとは…。
めぐ「これよくない?」
なぎ「いいけど…、次怖い。」


 そして13:20着の峠駅。1分待たずして発車するまでの間。他の客がこぞって購入したように、姫も最初から仕掛けていたのだ。大屋根の下に設けられたホームで、立ち売りされる『峠の力餅』は1000円。停車時間が短いために、小銭を使わず済むように配慮したのだろう。
めぐ「ありがと。」
もも「当然よ。」
さく「これでいつ…。」
なぎ「…他探せって。」


 大沢もかつてスイッチバックだった駅。大屋根はスイッチバック用の設備を大雪から守るためのものであり、新幹線直通に向けた改良によりスイッチバックが廃されてからはホーム屋根となった。
もも「やーねー、ってんでしょ。」
めぐ「…へ?」

 峠駅から下りに転じた山形線。関根で大規模改良区間が終わり、標準軌となった従来の単線に。福島から米沢まで47分…。

(つづく)