2012年3月16日(金)午前8時23分 宮城県石巻市・石巻立町復興ふれあい商店街

 そしてここが…。
ももか「テレビでやってたってとこ?」


 『石巻立町復興ふれあい商店街』は、駐車場を間借りするような形で仮設店舗が立ち並んでいる。そもそもこの朝8時半前という時間に開いているほうがおかしい。
ももか「…アンタらがもっといい時間にさ?」
めぐみ「わかってるよ。」
ももか「…わかってないじゃない。」

 プレハブ造りで営業を再開した被災店舗。永住の地は元の地か、それとも新たな地か…。


 観光慣れしておらず、地図の持ち合わせもない。そして延々と、全荷物を持ち歩いた旅行班。結局、石巻の駅に戻ってきてしまった。この駅前も(床上)浸水したため、それを示す表記が見られる。
ももか「肝心なとこなのに相変わらず無計画なんだから…。」
さくら「悪かったね。」
めぐみ「…これ名前何?」
ももか「別にわかんないんだったら無理しなくていいのよ。」


 腹が減っては戦ができぬ。駅のコンビニ店舗でおにぎりでも買って、腹を満たす。
ももか「本当…。」


 それはそうと、外からはどう見ても市役所に見えない石巻市役所。
めぐみ「ショッピングセンターだよね?昔の甚目寺のヨシヅヤみたいな…。」
ももか「出た、またわかりづらい例え。」

 では入ってみよう。1階は見たとおりに商業施設『エスタ』であり、まだ開いていない。
なぎさ「…これ先に石巻じゃダメだったのか?」
さくら「ダメだよ、磐越東線景色見れなくなるし…。」


 上に上がるとやはり市役所だ。
さくら「やっぱよそ者が入っちゃダメだったんじゃない?」
めぐみ「もうしょうがないよ。」
さくら「…生姜持ってないけど。」
なぎさ「そういう変なボケはいらん。」

 こちらも帰ってから調べたところ、この石巻市役所は閉店した『さくら野百貨店』の建物という。2010年から使われ、現在に至る。


 とりあえず歩道橋を上がってみる。既に最初の名古屋駅から実に94時間半を経過し、ネットカフェでほとんど寝ていないこともあって疲れがかなりたまっている。おまけに青森での一件と関係なしに常に大荷物だ。
めぐみ「一応…、海の方も見たかったんだけどね…」
ももか「また言い訳して、反省ってこと知らないんだから。」
さくら「これでも調べてたんだよ道とか。」
なぎさ「…見ておきたいな?」
めぐみ「でももう…、どう?時間とか…」
ももか「今まで散々個人プレーに徹した結果じゃないのよ。」

 最後に石巻市観光物産情報センター『ロマン海遊21』に入ってみよう。何かあるかも…。
なぎさ「…なんだよ。」
ももか「いい?」
なぎさ「…それを私にってか?」

 予備知識なしで現地入りしたため、偶然見かけた"石巻名物"を買った。それだけで終わるのも申し訳ないので、館内にあった『震災の記録』を見てみよう。津波にのまれ水没した駅周辺だが、当時すでに"駅前のショッピングセンター"に市役所を構えていた。
ももか「最初なんだと思ってたの?」
めぐみ「震災で移転したのかなって…。」

 やはりロクに下調べもせず、朝から時間を余らせる体たらくぶり。旅行班が消化不良で終わったのは、ある意味必然だろう。次に来るときが本当にあってほしい…。

 小牛田行きはかなり前に入っており、前がバケット形状のあるスーパーロングシート、後ろが2列1列のボックスシート。ワンマンだとアレなので後ろの車両に乗っておく。
ももか「じゃあさ…。」
なぎさ「アレか…!」



(現)石巻名物ちゃきん+ずんだ大福(加藤菓子店) 合計526円
 石巻名物『ちゃきん』は5個入りでごまあんとこしあんがあり、ごまあんを選択。さらに同じ店のずんだ大福とあわせて合計526円。(ここで言うことではないが、なぎささんは甘いのが苦手である。)
めぐみ「よかった…。」
なぎさ「お前だろうに。」
さくら「まあまず食べてごらんよ。」

 まずリーダーによる試食から。まさにローカルな一品。
めぐみ「1個が思ったより大きくてね、皮もなんかもちっと…。ゴマのいい甘さでおいしい。」
さくら「なぎ姉でも大丈夫そう?」
ももか「大丈夫よね?」
なぎさ「そう言ってまたプレッシャーかけて…」

 では勝負、ここまでアドバンテージ含めて姫の1勝4敗。石巻での勝者は2勝分得られるが、ハンデとして姫は片手しか使えない。
ももか「いい?」
なぎさ「早くしろよ…」
めぐみ「ではレディー…、ゴー!」

 試合開始。甘さは比較的抑え目だった名物菓子…。


ももか(余裕ね…。)


なぎさ(私にはアウェーしかないのか?)

 "ごまあんのちゃきん"はともかく、『ずんだ大福』ともなれば姫は余裕だ。
ももか「はい!」
なぎさ「……。」


 勝負あり。
さくら「勝者、赤コーナーももか姫~!」

なぎさ「…私にはホームはないのか!?」
めぐみ「あ、そんな言わなくても…」
さくら「大丈夫、最後の最後負けてもご褒美あるから。」
なぎさ「本当か?」
さくら「まあ、とりあえず仙台で牛たん待ってるからさ。」
なぎさ「それなら許すけど…、これも全部お前のためなんかじゃないからな!」
めぐみ「言わなくてもいいのに…」
ももか「言ったね?じゃあ次の対決をこっちも楽しみにしてるから。どこにしようかな…?」

(つづく)

 あくまでディレクション的に。