じゅん先生「こんにちは。じゃあ今日は部活、始めるわね。」


ひな「…どうやって始めたらいい?」
むつ「そういうの決めときなさいよ。」

 今回からは2012年3月。ちょうど震災から1年後に"復興支援"と称して、東北地方を"冷やかして"回った旅行記。スタートは3月13日の午前5時24分、東京都江東区は新木場駅となる。
ユン「あ、そういえば。バスでしたよね?」
フローラ「そうそう、寝れないとかの。」
むつ「そういうのは詳しいんだから…、アンタったら。」

 この日は新木場から東京、上野を経て常磐線を利用しいわきへ。いわきから先は常磐線が通っていないので、磐越東線で郡山に渡る。あとは東北本線を乗り継ぎ、当日中に盛岡まで達する予定を組んでいた。
ひな「盛岡のじゃじゃ麺とか横手やきそばとか…、色々食べて回るのを目的って聞きました。」
むつ「ああ、いいよね。いろんなとこでいっぱい。」

 朝5時にならないうちに都内に入ってしまい、このままではある罠に引っかかってしまう旅行班。ワンランク上をゆくエレガントな大人の旅だと豪語しつつ、果たして待ち受ける罠とはいかに…!?
ユン「で…、またお姉さんも。」
まりえ「一緒に見ようよ。」

2012年3月13日(火)午前5時24分 東京都江東区・新木場駅に到着
 知多半田を始発として、知立駅北から乗車した『知多シーガル』4号。暗さが残る中、予定より26分巻いて新木場に到着した。
めぐみ「…ごめん、完全に外が気になった私の負け。」
ももか「それで寝れてないわけね?」


 これで48分余ってしまった。さあどうするか?近くにコンビニは見えず、開いているのは牛めしの松屋だけ。
なぎさ「…先行くか?」
ももか「巻けたんだし、待ってても寒いだけだし、巻いちゃえば?」

 先を急いでみるとしよう。東日本は券売機で18きっぷを買うことが出来る。
ももか「こういう時に図々しく買うんだもの。」
めぐみ「どうして?こういうの東海にないよ?」
ももか「東海にないからって、…そんなのはどうだっていいのよ。」


 買ったらいよいよ、昨日から2日続けて旅が始まる。改札にはまた、緑色の濃い行先案内が構えている。
さくら「本当、フルカラーに対応してたらいいのにね?」


 旅の始まりを告げる朝。気分よく迎えるには晴れに限るものだ。
さくら「気持ちのいい朝が迎えられて…」
ももか「本当…。」
めぐみ「昔、ディズニーランド行ったときは夜中出て朝着いたよ。」
ももか「それはいいけど…。」
めぐみ「たぶんディズニーとかはないよ。」



12.新木場5:46発→東京5:56着 普通508Y/東京行き モハE233-5013
 眠気が残る早朝に乗るE233系も慣れてしまっているから怖い。それが初めて乗るタイプであっても。
ももか「どこか違うの?」
めぐみ「ドアの上のとこ。」

 高架と地下が半分ぐらいずつ、合わせて10分で東京駅京葉線地下ホームに到着。さあどれだけ巻けるのか時刻表で…
めぐみ「あ、ダメだ…。」
ももか「何が?」
めぐみ「巻いちゃダメ。」
ももか「どうしてよ?」

 5年半前は行きに東北本線、帰りに常磐線を利用した。今回は逆に行きに常磐線ルートを使うのだが、例の原発事故でいわきからは先が通じておらず迂回しなくてはならない。その迂回となる磐越東線がネックだったのだ。

 そこで時刻表を用い調べると、いわき13:13発の前は8:41発。現在、朝6時の段階でいわきまで2時間半で向かうのは不可能と考えるのが一般的だ。
さくら「…とりあえず時間つぶしとく?」


 京葉線ホームから長い通路を通り、トイレを済ませて、コンビニで少し買っておく。
ももか「本当、食べたいものだけ…」
なぎさ「いやいや、まだ全然だ。」

 セルフレジがあったので使ってみた。Suica持参で使い方がわかれば簡単で、他に比べ結構空いている。
ももか「…まあアンタがそれ使いたいんならいいけど?」


 では地上のホームへ。朝6時半、本当に気持ちのいい朝だ。
ももか「何してんのよ?」
めぐみ「だって新車…」
ももか「だってじゃなくて、そっちじゃないんでしょ?」
めぐみ「そっちじゃないけど新車よ?」
なぎさ「匂い嗅ぎたいとか?」
めぐみ「そうそう!新車は匂うの。」

 ありがとう、入りたてのE233系。ドアが開かずににおいは嗅げなかったけど、時間は潰れた…。


13.東京6:37発→上野6:45着 普通652G/山手内回り サハE231-4635
 そして山手線には新しい4ドアの新車がある。ホームドア対応策なのかドアと窓の位置が変わっている。
めぐみ「それに座れて…!」
なぎさ「もういいから落ち着け。」

 

 それでも、予定ではまだ52分余っている。それに予定どおりでも水戸で27分、いわきでは87分と十分すぎるほどの時間がある。
さくら「…先行っちゃおうか。」


14.上野7:03発→水戸9:07着 快速1331M/勝田行き モハE531-18
 先に進もう。この勝田行き列車は通常と異なり、後ろの10両が土浦で切り離しとなる。
ももか「じゃあ私は寝させてもらうから。」
めぐみ「そう?」
なぎさ「おやすみ。」

 さすがに東京のラッシュは違う。上野に着く列車はどれもかなり乗っている。この列車は上野の時点ではさほど乗ってこないが、東京のラッシュをなめてはいけなかった。
なぎさ「おあ…」

 日暮里でも多くの客がおり、この列車にもいきなり大量乗車。座ったのはボックスシートなので、ロングシートほど飲食に問題が生じないのが幸いか。



 ともかく、すがすがしい朝だ。大都会東京を抜けて、今日は盛岡まで向かう予定となっている。

 北千住を過ぎると快速運転を開始。乗客は入れ替わりながらも、混雑は続く。
なぎさ「別に寝たって…」
めぐみ「いいけど私は…。景色…」

 "快速運転の北限"と同時に、直流区間の終点でもある取手。混雑はまだ続く。
めぐみ「一応だけど、朝まだだよ。」
なぎさ「買ってそのままな…。」
めぐみ「…どうする?」

 土浦からは5両となるためか一層混雑。神立…。
めぐみ「あ…」
なぎさ「降りてく…?」

 一気に降りていった。何か最寄であるのだろうか?
めぐみ「…わかんない。」
なぎさ「…別にいいか。」

 これでようやく平穏な時間が訪れた。
ももか「なに?」
さくら「朝に買ったのあったでしょ?」
ももか「…わかった。」

(つづく)

※次回からも2012年の東北旅行が続きます。まだまだ地震が多発する現状、ただ心配するばかりです。