「スターフライヤーは関西空港行きのみ第2ターミナルでしたが、福岡行きもこの年10月に移転したはずです。北九州行きのみ第1ターミナルに残り…、最終的に2020年秋。全て第1ターミナルに集約されています。」

2014年8月9日(土)午前6時37分 東京都大田区・東京国際空港第1ターミナル

 夜明け前から天気がよろしくなく、8月上旬の朝6時半にして薄暗い。だからと言って替えの日を用意できないのが、余所者である旅行班の不利な点。東京近郊在住であれば日を改めて見学し直すことを考えるかもしれないが、旅行班に限らず遠方から来る人はどうしても事前に予定を組んでしまうため融通が利かないのだ。


 デッキから向かいのターミナルを眺める。ワイヤーに視界を阻まれるも、安全のためならやむを得なしといったところ。あれは国際線だったか…。


 メインの機体だけでなく、その下を通る作業用の…。
めぐみ「…なんだっけ?」
ももか「わかんないなら別にわざわざ…、ね?」

 一通り見たところで下に降りよう。


 もちろんこちらも客が多い。朝7時になってか土産物売り場は開いている。そして台風で飛ぶかどうかわからない…。
ももか「別にいいじゃないの。」
さくら「まあこっちはここから飛ぶわけじゃないし。」
あいか「…大前でいいんだよね?」
ももか「いいけど…、何。行きたいの?」
あいか「…18きっぷないからいい。」


 これぐらいにして、一番の目玉であろう国際線ターミナルへ向かおうか。
なぎさ「それ違う、戻るやつ。」


 よく考えれば先ほどと同タイプだ。
ももか「本当、いつまでたってもこんなんだもん。」
なぎさ「お前だって…。」
ももか「アンタらこそそうよ。もう結構いい歳してロクなことしてない。」



30-2.第1ターミナル→国際線ターミナル 羽田京急バス/国際線巡回 NH3801
 改めて、乗るのは緑色の車体。乗った限りでは若干古めかしいか。そして特徴として、後ドアの目の前に座席がなく荷物量の多い客に配慮されている。
さくら「…さっきのほう乗るの3分ぐらいなのに、席多いのどう?」
なぎさ「国内ならそう荷物ないだろ。席取っ払うのだって金かかったりとか…。」

 第1ターミナルから少し距離があるのだが、滑走路の下をトンネルでくぐる程度。乗車時間は10分に満たない。
めぐみ「そういえばまだ米食べてなかった。」
ももか「あのね…。」


 それはともかく、国際線ターミナルビルは新しいだけあってやはりいい。展望デッキに上がる階段の前には、何やら能とかいった日本の伝統芸能の舞台が設けられている。ここは日本の拠点となりえるところ。コンビニは市街地と同様に24時間営業であり、スペースは気のせいか広く見える。おにぎりとお茶を買っておこう。
めぐみ「灯りの色もいいね。」
ももか「それしかないの?」
めぐみ「あるけどなんかね…。」


 また外に出る。蒸し暑くも、風が当たれば心地よい。ここでしばらく過ごそう。


 飛行機…。
ももか「アンタらなんかと海外行くってなったら不安でしょうがない。」
めぐみ「行く気もないよ。」
さくら「…まあ海外なんか行かないし。」
ももか「…あのね、これ見てくれてる方に言うけどこんな上司もってごらんよ。何にもできないし、役にも立たず終わるだけ。その立場になってみてよ。」
なぎさ「…自虐か?」


 お次は商業施設。日本の拠点となりえるところだけあり、"日本らしく"江戸時代のような雰囲気を見せている。時間的に飲食店はまだ開いてないか…。


 まあ時間も迫ってきたのでこれぐらいにしておこう。全景を見ると、巨大施設内の大空間に、もうひとつ主要な施設があるように見える。
さくら「次…、ある?」
ももか「アンタらの勝手でしょうに。」
めぐみ「あったら国際線を重点的にってことで。」
なぎさ「それで来るときも京急で。」
あいか「京急?」

 そして、それなりに迷いながらバス乗り場まで下りて行った。


30-3.国際線ターミナル→第2ターミナル 羽田京急バス国際線巡回 NH3801
 モノレールは往路と同じく第2ターミナルから乗るため、戻ろう。バスは一方通行の周回路を通るためルートがわずかに異なるのだが、基本は同じなので割愛。写真もない。

 往路で利用した『東京モノレール沿線お散歩1dayパス』をそのまま用いるので、新たに切符を買いなおすこともない。2本早く乗れるのだが、普通は空港快速に追い抜かれるため実質的には1本早いだけ。区間快速は英語表記が"Rapid"とあるように、実質的には快速である。空港快速の英語表記は"Haneda Express"であり、国際線ビルから浜松町までノンストップである。
ももか「どうするの?」


31.羽田空港第2ビル8:19発→浜松町8:41着 区間快速/浜松町行き 1069
 とりあえず乗れるものに乗っておこう。少し古い車両だが、雰囲気的にはこちらの方がいいのかもしれない。
なぎさ「FRPの窓だとかそういうのはいい。」


 区間快速は新整備場を通過し、国際線ビルから流通センターまで停車しない。


 右側のボックス席から、海上保安庁の航空基地を見る。
あいか「何も慌てることないと思う。」


 首都高速1号羽田線と並走しながら、帰りも急こう配を結構な速度で越える。往路で触れていなかったが、このスピードは犬山になかったものである。


 大井競馬場駅を出ると見える集合住宅群だが、モノレールでの通勤はちょっと不便か…。

 22分で到着。それにしても、少々時間が余った気がしないでもない。再びのJR、18きっぷ。乗り換えもスムーズにできてしまった。


32.浜松町8:45発→上野8:58着 普通806G/山手線内回り サハE231-622
 ドア以外はE233系、それがサハ600番台。2駅先は東京駅。
あいか「じゃあこの辺で…。」
ももか「…逃げないでよ?」
あいか「ああそっちこそ。」
なぎさ「何の会話だよそれ?」


あいか「地方の人間が羽田空港を見るためだけに行った例を見ていただきました。皆さんはもう少し目的を持っていくかと思うでしょうが、少なからず参考になったという方がいらっしゃいましたらぜひ…。旅はまだまだ続きます。」

(跨座式モノレールと羽田お散歩 おわり)