めぐ「鉄旅リターンズプラス、まだまだ続いております。さて日本の"ハブ空港"は、どこだかわかりますでしょうか?成田といいたいところでしょうが…、今回は違います。関西や中部でもありません。とりあえず時間は2014年8月9日、早朝の東京都内から始めましょう。」

2014年8月9日(土)午前4時5分 東京都豊島区・池袋駅北口
ももか「今日は遅れず来れたわね…。」
なぎさ「そりゃそうだ、さっきまでいたろ。」
ももか「まあそれはいいの。…なんでこんな時間から羽田行くのかってことよ。」
めぐみ「ちょっと見たいし、モノレールも…。」
あいか「乗ってなかったの?」
さくら「乗ってないけど。」

 連休も始まろうかという3日目。夜も明けきらぬうちからまず向かうのは羽田空港だが、最初のお目当てが東京モノレール。前夜に帰宅を断念したのか駅前で夜を明かした人々を横目に、3日目の日付を入れてもらおう。


 乗るのはもちろん始発。205系でよく見られた『山手線』の表記は、E231系では珍しいのかも…。
さくら「…ごめん、これ逆。」
あいか「…何?」
さくら「これだとちょっと着くの遅くなる。」



29.池袋4:25発→浜松町4:55着 普通451G/山手線外回り モハE231-542
 ということで反対側のホームに回る。こちらに入った車両もLED照明が入っていた。0時を回ってからLED照明搭載車をよく見ているのだが…。
さくら「…ひょっとして全部LEDだったりして。」
ももか「だったらあの変な興奮返してよ。」

 発車。外回りなので、東京駅で1周回ることになる。
ももか「…寝てないんだし寝といたら?」
さくら「…いいの?」
ももか「どうせアレでしょ?」

 程なく車内は、乗客の数もそこそこに…
ももか「…だからなんで私、寝れないのよ?」
めぐみ「さあ…?」

 "昼寝"は15分ぐらいが効果的と言われるが、壁際で30分なら十分だろう。むしろもっと…

 到着すると、外が明るくなり始めていた。
ももか「どう?寝れた?」
さくら「…いいぐらい。」
ももか「まあこっちは5分10分だし?」

 東京モノレールはJRではないので別料金となる。事前に調べたところ、『羽割往復きっぷ』が800円でお値打ちなのだが…。
めぐみ「…あ、こっち100円安い。」

 『東京モノレール沿線お散歩1dayパス』は700円。もちろんこちらを選ぶ。
ももか「大体、いつも調べが甘いのよ。」
めぐみ「…そう?」
ももか「何度やっても、いつもどっか抜けてんの。…本当1回ぐらい何もなしで行ったほうがいいんじゃない?」

 さて、東京モノレールは犬山にあったモノレールと同じ『アルヴェーグ式』が採用されている。先に"犬山のモノレール"が"実験的な存在"として開業し、東京モノレールの乗務員訓練にも用いられたそうな。そんな"犬山のモノレール"だが開業後は観光輸送に活躍し、利用が少ないことと老朽化を理由に2008年末をもって廃止された。東京モノレールは10年ほど前に快速運転も開始。つい先日には新型車両も導入するなど、"進化"し続けている。

 今年(※2014年)で開業50周年を迎える東京モノレールに、今日ようやく乗る…。



30.浜松町5:11発→羽田空港第2ビル(5:35)5:37着 普通/羽田空港行き 2045
 ホームにいたのは最新型ではなかった。
さくら「…残念とかって?」
ももか「もうそういうの何度言ったか…。」

 『アルヴェーグ式』では台車を設けるスペースが車内にも必要なため、中央部分にデッドスペースができてしまう。それを利用した、窓を向いた席に座る。

 空港へのアクセス路線とあって大荷物の客を見るが、この時間にしては多い…?
さくら「今日から休みだっけ?」
めぐみ「それもあるね…。」
ももか「いや、この時間ってどうよ?」

 

 期待したのは窓から見る朝日だったが、台風もあってか雲が多く見えない…。
ももか「……。」
なぎさ「…いいのか?」
ももか「…どうせ今日ぐらいしかないんでしょ。日改めるとかそういう考えなんかなくってさ。」
さくら「悪かったね。」
あいか「でも野球は?」
ももか「…野球もだけど。」

 さて、モノレールには普通鉄道にはない急こう配もある。
めぐみ「犬山にもあったけど…」
なぎさ「もう犬山の話終わった。」



 昭和島では快速を退避できるのだが、この普通は退避しない…。
さくら「おお…!」
なぎさ「どうした?」
さくら「今、急に止まって…」
あいか「…通り過ぎた。」


オーバーラン発生!
 日中停車しない昭和島の"本線"で位置を誤ったか、勘違いで通過しかけたのだろうか?
ももか「特に用もなかったからいいようなものよ…。」
なぎさ「それが私らの強み。」
ももか「浮いたような立場でさ、他人のことなんかあんまり考えなくってさ?」
さくら「自由に時間が使えるんなら別にいいでしょ。9時前に戻って来さえすればいいんだし。」

 一旦後ろに下がり、昭和島でドアが開いた。そこからは特にトラブルもなく、羽田空港には2分遅れて到着。羽田は国内線だけでもターミナルビルが分かれており、ANA系は第2ターミナルから出発することになる。スターフライヤーは行先によって出発ターミナルが異なるので注意すること。


 モノレールの車内。ボックス席もあるが、背もたれはロングとほぼ変わらない程度の高さしかない。では第2ターミナルビルへ向かうとしよう。


 午前5時48分。休み前だからか、まだ暗いながらも航空利用の客が多い。
ももか「本当、何しに来たのよ…。」
めぐみ「見に来たんだけど。」
ももか「こんなさ…、どこにも行かないような人間がこんなとこいていいの?」


 連休も始まり、満席の便も多い。
めぐみ「…どこ行くんだろうね?」
ももか「まあアンタらと違って用はあるんだし。」

 さすがにこの時間、商業施設として営業している店舗はほとんどない。展望スペースはあるが、まだ外には出られない。
めぐみ「…早すぎたね。」
ももか「本当…。」

 それよりも台風が接近しているとあって、欠航の可能性もある。
さくら「こういうのって前々から計画とか立てて予約して、当日欠航とかだったら…。」
ももか「悲惨ね。楽しみも全部台無し。」
さくら「やっぱり何も用ないってのは強みなんだよ。」
ももか「…アンタら飛行機乗る気ないでしょ。」


 まあ第2ターミナルだけで終わるようなことではない。これまた事前に調べていた無料巡回バスを利用しよう。


30-1.第2ターミナル→第1ターミナル 羽田京急バス/国内線巡回 NH3472
 白色に青線の車体をもつハイブリッド車両。
めぐみ「なんとなく新車っぽい。」
あいか「昨日乗ったようなのと同じの?」


 主要な道路を挟んで反対側にある国内線両ターミナル。バスはその上に架かる道路を時計回りに回るだけであり、3分もすれば第1ターミナルに着いてしまう。JAL系、スカイマークは第1ターミナルから出発することになる。スターフライヤーの北九州便は第1ターミナルなので注意すること。

 こちらもそれなりに混みあっている。早い時間かと思ったが、そうではないのかも…。
あいか「…見るの?」
めぐみ「…開いてるなら。」

 展望デッキは開いていた。さらに上へ行けるようなので、上がってみよう。

(つづく)