初めての旅に選んだ『レール1DAYフリーきっぷ』。今回使うにあたって、ある考えの下で進んでいくこととしていました。では時間を2003年2月11日の午後に戻して、金山からとりあえず犬山へ向かいましょう。
めぐ「なんていうか…、フリー切符を使いこなす才能?」
涼子「いや、それは違う。好きなものに打ち込めるぼが才能。」
2003年2月11日(火)午後1時7分 名古屋市熱田区・金山駅
5.金山13:08発→犬山13:43着 急行/犬山経由新岐阜行き 名鉄3100系
今回の車両はパノラマカーではなく、3100系などの通勤型車両。犬山線の急行は基本的に常滑線や河和線からの直通となり、運転速度が名古屋本線より低いこともあって6000系列も用いられる。
地下鉄との接続駅となる上小田井は規模が比較的大きく、以前に急行は通過していたことが信じられない。次の西春が同規模にして空港連絡駅であるのも、ある程度関係しているのかもしれない。こちらの急行も停車駅間が離れているようで、なかなか速く感じられる。
扶桑も西春と同じく、待避線を持つほどの規模。しかしながら、こちらも利用客があまり多くないのか急行は一部のみ停車。いずれも反転フラップ式の発車案内があり、普通のみの停車駅としてはもったいないようななくないような。
犬山で降りてからは、正月と同様に小牧線へ乗り換え。ひとまずの目的は新車たる300系で、ここまではほぼ変わりない。
6.犬山発→上飯田着 普通/上飯田行き 名鉄300系
正月の日、次に乗る特急の指定の関係があり田県神社前で引き返している。本数が1時間に3本と少ないためであり、今日は時間を気にするわけでもないので終点まで乗せていただこう。
上飯田連絡線開業に合わせ、駅の改良が進む小牧線。新車はというと、これまでになかったものがいくつか。地下鉄向けの4ドア車両にして、ロングシートと転換式クロスを交互に配置。座席色は鮮やかな紫となり、握り棒もピンク色に着色されるなど冷たさを感じさせない。とにかく、新型だけあって快適だ。
正月に折り返した田県神社前までは地上駅。味岡と小牧原は高架にある駅。地下駅の小牧からは複線となり、島式ホームは複線区間にしかない。
味鋺からは上飯田連絡線の工事が進んでおり、開業すると地上の単線区間は役目を終える。川を2つ渡ったら、盛り土高架の上にある島式ホームで行き止まり。ここが上飯田であり、地下にある上飯田連絡線が開業すると役目を終える。ホームに降りたもののすることもなく、そのまま戻ることにした。
7.上飯田発→小牧着 普通/犬山行き 名鉄300系
大きな川を渡ると、風景が穏やかになってくる。味鋺からは複線となり、名古屋市から春日井市を経て小牧市へ。ついでにこの新車、運用線区が限られて乗車時間も短いはず。それなのに転換式クロスシートを部分的ながら備え、しかも衝立にテーブルが付くという豪華ぶり。
途中、小牧で降りたくなったので途中下車。新名古屋と似て非なる地下駅で、こちらは本数が少なく薄暗いので静かな印象。2面3線式でこそあるものの、発車案内は小さなLED式だけ。改札口も、とりあえず自動改札があるという程度のものが1つ。降りたくなったのは、ただ見たかったというだけに他ならない。
8.小牧発→犬山着 普通/犬山行き 名鉄300系
正月から数えて5度目となる新車に乗り、犬山へ。相変わらず外は晴れず、しっとりとした走りようを見せた300系。正月は犬山で特急の指定を取り、パノラマスーパーの展望席(しかも最前列)で河和へ向かったもの。
今日は特急の指定を取らず、急行で常滑へ向かうこととした。
9.犬山15:42発→榎戸16:53着 急行/(常滑)榎戸行き 名鉄6000系
来た車両は6000系で、貫通型の前頭部である時点でオールロングシートだとわかる。側面が固定窓となるタイプは初期に投入されたもので、リニューアルがなされている。先頭部分に座ろうか。
急行とあってやはり停車駅間距離が離れていたこと、小牧線より線形がよいことから速く感じられなかなか快調。布袋は古来から待避線と島式ホームを持っており、ここで特急の通過を待つ。
岩倉から西春,上小田井,栄生,新名古屋,金山と停車したのは往路と同じ。神宮前からは常滑線に進み、太田川で河和線が分かれる。ここからが乗っていなかった区間となる。
太田川を出ると高架に上がり、相対式ホームの尾張横須賀。次の寺本は地上に相対式ホーム、朝倉は再び高架に上がって相対式。4駅連続停車となる古見は地上の相対式であり、ホーム長さの関係で6両中後ろ2両はドアが開かない。
ここからは急行らしく通過駅があり、停車駅は新舞子と大野町。いずれも地上の相対式ホームとなる。電車で向かうことが出来るのは、次に停車する榎戸まで。1時間強の時間はそれなりに楽しめた。
榎戸から先は工事が行われ、常滑へ向かうには代行バスに乗り換えなければならない。そのため、普通しか停車のなかった榎戸は整備されていた。駅舎は名鉄観光も入居する立派なもの。
本来は『レール1DAYフリーきっぷ』で名鉄バスに乗ることは出来ない。しかしながらこの代行バスは"名鉄電車"として扱われる。よって、常滑まで乗車することに問題はない。
10.榎戸発→常滑着 代行バス/常滑行き 名鉄バス※一般路線用
バスは新しいノンステップ車両で、この代行バス運用に合わせて投入されたものと考えられる。すっかり静まっており、外も日が暮れて暗くなってくる。
多屋は本来の駅と離れた路上にある。そのままもうしばらく進んでいき、常滑の駅前に到着。かつての駅がどのような形をしていたのかは、結局わからずじまい。
(つづく)
なんだかんだで、正月のやり残しみたいな形になりました。ここまで順調に旅をこなしてきたのですが、最後まで無事に成し遂げられたのでしょうか?
めぐ「ま、昔の話なんだけどね。」
涼子「今更…。その時のなんか写真だってないのに。」
めぐ「ないの、探してもあんまり。」
涼子「それと、バス好きなのも昔からよね。」