前回まで"DC85・75系"の在り方について考えてみたが、どうも通勤時間帯にちらつく指定席の空席…。ということで、在来線特急料金の在り方を考えてみたい。
A特急料金
本来の特急料金。古来の国鉄特急列車は全席指定が基本であり、自由席が導入されたのは国鉄後期になって以降。自由席は指定席より530円安価に設定されている。現状の長距離移動は新幹線が主体となっており、1本の列車で401km以上というのは現実的に非ず。
ましてや601km以上となれば、JR西日本で運行開始される『WEST EXPRESS 銀河』の山陽ルート。しかも京都~下関にしてようやく成立できるぐらい。それも現状は大阪発着で、当面は旅行商品扱いとなるためこれも現実的に非ず…。
…あった、『サンライズ』のノビノビ座席だ。東京から山陽本線まで進めれば、垂水を過ぎて601km以上となる。これならば"瀬戸"の高松だろうと、"出雲"の出雲市だろうとフラットなもの。危うく忘れるところだった。
日本海に目を向ければ、直江津~青森を通しても600kmに届かない。えちごトキめき鉄道の分は強制的に打切計算となり、新井~直江津が50km以下で210円となる。
さてJR北海道では少々料金体系が異なり、25kmまでの短距離で安価に設定されている。151km以上の場合は本州と料金が同様だ。
JR四国も本州と同様のA特急料金が採用される。ただしJR四国内の25kmまでならば通常期指定席料金が1070円、自由席は330円。50kmまでの自由席特急料金は530円となる。また岡山~児島間、および同区間とJR四国内にまたがる場合の50kmまでの自由席特急料金は560円。
B特急料金
国鉄後期から特急が増発されたため、安価に設定されている料金体系。それまで運行された急行列車からの"激変緩和措置"ではないだろうが、中間的設定といったものか。設定区間は決められており、401km以上が上限となる。
設定区間内でも『成田エクスプレス』と『サフィール踊り子』はA特急料金となる。また後者は全席グリーン車であり、今回の内容には合致しないため割愛させていただく。
JR東海のB特急料金は2020年10月現在、JR東日本を含めた際の『踊り子』でのみ適用される。151km以上運行される便はないため、暫定的に151km以上はJR東日本と同額とした。なお、伊豆箱根鉄道は特急料金不要となる。
また一部区間ではB特急料金に準じた特定料金が自由席のみ設定され、便宜上こちらに記載した。(30km以内の自由席料金は『踊り子』で適用されない。)
JR西日本では概ねJR東海と同等に設定されているが、若干異なるのが興味深い。
JR九州は全区間でB特急料金が適用される。JR北海道と同様に25km以内の料金が設定されているほか、51~75kmでも区切られているのが特徴。全体的にはJR全社で最も安価な設定で、301km以上が上限。
ただし『あそぼーい!』の展望席及び白いくろちゃんシート、『かわせみ やませみ』やませみベンチシートの指定席は通常より210円高価となる。
C特急料金
JR東日本が『スワローあかぎ』で導入し、首都圏を中心に拡大傾向となった料金体系。これまでのA特急料金,B特急料金とも価格設定が異なることから、便宜的に"C特急料金"としておく。
A特急料金の自由席に準じた当該料金体系では自由席が設定されず、全席指定を前提とするのが特徴。自由席に相当する『座席未指定券』は指定席と同額、車内で購入すれば逆に260円高価となる。閑散期や繁忙期の設定はなく、現状401km以上は設定されていない。
実のところ本題はここからだったりする。今後は『踊り子』にもこの料金体系が導入されるようなので、JR東海も無関係でない。そこで次回、JR東海で導入するならばと考えたい…。
(つづく)