2018年8月29日(水)午後0時30分 岡山市北区・岡山駅

 宇野から51分で岡山に到着し、隣からは松山に向けて8600系の『しおかぜ』が発車する。この5~8番ホームでは瀬戸大橋方向の路線が発着し、1面の島式ホームがそれぞれ一部切り欠かれている。
さく「これで…。」
なぎ「なっげえ寄り道だったな。」
めぐ「次は松山だね。」


 大都会、岡山も久々なもの。四国に政令指定都市はなく、日中の景色ならば"西日本の初日"以来だ。
もも「博多なんかすっかり忘れてるし…。」
さく「いや四国基準だし、博多とか広島は別だって。」
ユン「2日目?だったか、岡山で夜合流しましたよね?」


 新幹線の駅は基本的に長く造られ、総じて壁面が擁壁のようになるというもの。そんな山陽新幹線の面する後楽園口はやはり目立つ。
なぎ「大都会ってのもうダメな。」
もも「わかったけど、次何分よ?」
めぐ「5分だから、お昼買うの。」


(現)おいしい水・六甲(アサヒ飲料) 95円
 この岡山駅にはスーパーが"入居"しており、過去にも昼食を仕入れたことがあった。予定の36分間で今回も昼食を買っておこう。
さく「なんなら、ここで最終決戦も…。」
もも「決戦ね…、楽しみにしてるわ。」

 ついでなので岡山の名物らしいものを専門店街にて購入し、この西日本(北部九州,四国)旅行における"最終決戦"の用意とした。ここからは津山線を経て、姫新線に回る行程だ。


 快速はワンマンの2両であり、座席は埋まっている…。
さく「出たよ…、いわゆるやっちゃったパターン。」
もも「本当さ…、わかっててやってるわけ?」


84.岡山13:05発→津山14:11着 快速ことぶき3938D/津山行き キハ47 1005
 仕方ないので、適当にロングシート部分へ座っておこう。
めぐ「ここ飛ばしたら、次がないんだっての。」
なぎ「だったら簡単なおにぎりでも。」
めぐ「おにぎりだけとか足りないじゃん。」


 座席確保での小競り合いはこの程度にしておき、岡山を発車した朱色1色の快速。1駅目の法界院は都市部にあり、下車客もそれなりに見られる。かつての急行列車は、快速停車駅のうち法界院だけ通過していた。
もも「ってか、1駅だけでカネとるなんてね…。」
ユン「でも、いい車じゃないけど。」
さく「これと大して変わらんかったって。」

 そもそも急行『つやま』は2009年改正で廃止されるまで、存在自体が無理して存続していたようなものだったという。そして現在の快速『ことぶき』にて、こちらも無理して昼食の弁当を頂くとした。



(現)鶏めし&みぞれチキンカツ弁当(ユアーズ) 429円
 加熱を求められる弁当はスーパーよりコンビニにあるタイプであり、加熱を求められる。温めた以上は車内が混んでいようが、早めに頂くしかない。モノ自体もコンビニ弁当のそれであり、出来立てを前提としないよう工夫されたもの。
なぎ「こんなとこで…。」
めぐ「だから、タイミングもあるじゃん。」
ユン「…いいんですか?」
もも「いいの、放ってたって。」


 岡山市内から抜けないうち、景色は一転して渓谷めいたものとなってきた。玉柏から牧山にかけては11年半前(2007年1月)、落石で代行バス輸送となっていた津山線。今夏の大雨でも、牧山から野々口にかけて被害を受けている。
さく「ここさ、何かすると崩れるっていうか…。」
ユン「あ…、この前もでしたね。」
めぐ「ここダメになっちゃったら回れないもん。」


 快速は金川に停車し、11年半前は代行バスから乗り換えていた。山深く入っては、そこから進んで景色が開けるという繰り返し。
もも「こういうの好きなんでしょ。」
なぎ「なんか…、わからんけど。こういうのがいいんだ。」


 2009年8月には改めて乗車を果たすも、眠気もあって景色まではあまり覚えていなかったもの。そこで今回は津山から乗り継ぐ姫新線と合わせて、景色を収めたかったのだ。車窓からは渓流が見られるものの、肝心の景色を逃しやすい。
ユン「…撮れてます?」
めぐ「一応、形にはなったかも。」


 次に停車した弓削。岡山行きの快速は『ノスタルジー』であり、他車と異なる2色塗装。座席モケットが国鉄由来の青色になっているほか、ボックスシートはテーブル(+栓抜き)が設けられている。
さく「あれ来ればよかったね…。」
もも「だったら、さっきの弁当だって。」
なぎ「大して変わらんぞ、おにぎりとかならいいんだ。」
めぐ「ってか、普通にボックス空いて食べれた。」


 福渡の次に停車する亀甲。快速の列車名となった由来は、停車駅に縁起のいい駅名が連なっていることらしい。駅の周辺は田舎風景だ。
めぐ「…こっちじゃなかった。」
ユン「って…、立ってどこ行くんですか?」


 駅名に肖って、亀甲の駅舎は亀の形になっている。これは以前テレビ番組でも取り上げられ、それなりに有名な物件となったもの。調べれば無人駅でなく、簡易委託らしい。
もも「アンタもいい年なんだし、いい加減落ち着きなさいっての。」
めぐ「でもせっかくだし?写真したいじゃん。」


 亀の頭はこっちだったか…。
なぎ「…なんかヤラしい言い方。」
さく「別に…、深い意味はないよ。」


 津山機関区(津山鉄道部,津山まなびの鉄道館)は扇形の機関車庫を有しており、転車台共々経済産業省の近代化産業遺産となっている。津山線の快速『ことぶき』は程なく終着だ。

(つづく)


最初この不通について土砂崩れと認識しましたが、土砂崩れとは違っていたようです。