2018年8月28日(火)午前7時8分 香川県高松市

70.高松7:05発→徳島8:14着 特急うずしお3号/徳島行き 2425
 高松を発車した特急『うずしお』。高徳線は単線非電化ながら、高架区間となっている。しばらくは市街地らしい景色。
なな「で、この高徳線だっけ?」
めぐ「反対向きだけど…、11年前?」
さく「あれ、もうそんななるんだ?」


 高松で空席が多かったところ、次第に座席が埋まっていく流れらしい。高架橋から下って、住宅街の先に見えるのが屋島。陸続きなのに"島"な理由を後日調べれば、江戸時代までは名実ともに島だったという。
めぐ「まただけど、景色を。」
もも「そりゃそうでしょうよ、写真ないってんだし。」


 そのまま志度線(高松琴平電鉄)と並走し、志度に停車。瓦町の離れたホームから発着する路線であるため、今回の"乗り鉄"には合わなかったという話である。
ユン「次とか、ご一緒までは。」
なぎ「まあ、そのうちあるだろ。」


 オレンジタウンは高台にある住宅街のことで、駅の開設も後年になってからのこと。最寄り駅を分かりやすく表した駅名だが、もう少し特急停車駅に相応しい駅名はなかっただろうか?
もも「他にあればいいけど。」
さく「…それがないんだよ。」


 もう少しして、ようやく山めいた雰囲気の景色になってきた。この高徳線は高松自動車道と並行しており、開通後はやはり高速バスとの競争が激化したという…。
ユン「鉄道と道路、どっちが好きなんですか?」
めぐ「…両方しかないんだけど。ダメかな?」


 しかしさらに進めば、また住宅地らしい景色になっている。以降、特急停車駅毎に似たような繰り返しだ。
さく「ここらだと…、どっち行くにもアリかもよ。」
なぎ「本当、どっちかわからん。」


 東かがわ市、引田のあたり。どうも高徳線は特急停車駅が多いようだ。そこで調べれば途中停車駅に規則性がないようで、最少は栗林,志度,三本松,板野の4駅らしい。特急自由席用の定期券もあるらしいので、納得といえば納得か。


 そのまましばらく見なかった、海の見える区間へ差し掛かる。ここからようやく山間へと入っていく様相。
なな「…どこで海だったの?」
ユン「…屋島だったような?」


 やがてN2000系は香川県から徳島県へ。火曜日の朝8時前とあって、座席も結構埋まってきた。
もも「作戦成功じゃないわよ。」
めぐ「…別に作戦じゃないけど?」


 池谷では鳴門線が合流する形。ホームは両路線でそれぞれ離れており、鳴門から高松方向へ直通することはできない。
なな「こっちは…?」
さく「阿波池田にしたら合わなくなっちゃった。」


 徳島市に入り、吉野川を渡ると高架橋へと上がっていく。
めぐ「川、大きいからわかるのよ。」
もも「ってか…、前ってどこから入ったんだっけ?」


 佐古で徳島線と合流し、高架橋から下ると徳島に到着。ここまでが11年半ぶり、2度目にして逆向きな高徳線である。
なな「思い出せた?」
さく「思い出すも何も…、ほとんど初めて乗ったって考えてるし。」


 折り返しは岡山行きとなり、6~8号車と表記。これは宇多津から『南風』と連結運転するためであり、岡山までに2度の方向転換を経るのだ。
さく「瀬戸大橋でずいぶん近くなったんだよ。」
なぎ「…前って明石海峡大橋のバスだったんだっけな?」
ユン「じゃあ、淡路島ですか。」


 JR四国の駅番号は徳島が基準(T00,M00)となる格好。4県それぞれ基準として駅番号がリセットされるものの、徳島以外では別の基準点から続く駅番号も記される。高松(Y00)も、高徳線はT28が番号だ。
めぐ「前来た時残ってるのがこれぐらいしかなくって。」
なな「ああ、それで…。」
もも「本当、写真ありきなのよ。この人。」


 さて時間がある以上、もちろん駅の外へ出るのを忘れない。温暖な四国らしい、南国ムードのある駅前だ。
ユン「…おはようございます。」
さく「まだ考えたら8時半なんだよね…、朝からお暑う。」
もも「やめなさいよ、こんなとこで。」


 駅ビルはどうやら四国最大級らしい。11年前に訪れた際は、写真もほとんどないまま後にしたもの。
めぐ「このビルはあったはずなんだけど…。」
なぎ「それでもか。」
なな「いやいや、携帯のカメラなんか全然違うんでしょ。」


 平日の朝8時半とあって市街地は人が多く、落ち着かないので駅の中に戻ろう。この徳島はICカード非対応にして自動改札がなく、四国内での"差別格差"がよくわかる構図。JR四国のコンビニ売店は『セブン-イレブン』となり、利害関係が…。
もも「はいはい、よくわかんない話はこのへんにして。」


 ここから乗るのは振り子なし車両。同じ国鉄末期製造のキハ183系500番台(北海道:北斗)に通じる形状であり、こちらはステンレス車体。ドアも折戸となっている。
なな「えっと、北海道でどう回ったか…。」
さく「それは函館の夜に乗りました。」


 車内も国鉄特急らしさを残しており、案内装置といったものはない。エアコンの吹き出し口は座席上にあり、バス用の部品を利用している。座席も国鉄由来のリクライニングシートであり、グレードアップなどは全くないブルーグレー色。
なぎ「とりあえず食べるか。」
めぐ「じゃあ、頂きます。」

(つづく)


2018年当時の話でした。現在は高徳線からN2000系が撤退しており、様子も大きく変わっているかと思います。