1.名鉄2000系が『ミュースカイ』の減便で余剰となっている件
この話は何番煎じか…。現在『しなの』に用いている383系も、そろそろリニューアル等対処が必要な時期になってきている。HC85系や315系(それこそ新幹線N700Sの在来線向けフィードバック)で導入予定の設備、機器類へ更新するか。それとも早い段階で新車を投入するか…。
新車の形式は385系でいいだろう。問題は車体傾斜装置の方式で、現在の383系は制御付き自然振り子式でコストがかかるもの。対して中央東線『あずさ』に投入されたE353系は、コスト面で有利な空気ばね車体傾斜式。そう、名鉄2000系『ミュースカイ』と同じタイプだ。
ただし決定的な欠点として、カーブの多い路線では空気容量が足らなくなるということ。この理由で土讃線『南風』は空気ばね車体傾斜式の採用を断念し、新車たる2700系は制御付き自然振り子式が継続されることとなった。
おわかりだろう。385系導入に向けた試験で、名鉄2000系に準じた試験車両を用意できないかということ。ここまでは過去に話した内容だが、このご時世で空港輸送量がほぼ消滅。2020年8月現在、中部国際空港発着の『ミュースカイ』は減便されている。
これにより試験専用(ないし前提とする)車両を用意することなく、余剰となった2000系そのものを借り受けられないかと…。もちろんそのままではJRの路線に対応せず、保安設備の改造は必須。当然、試験終了後も期間を設けて再改造しなければならない。
需要が戻る前に、ある程度の試験メニューをこなさねばならない。で…、試験用の塗装が『エヴァンゲリオン初号機』ってのは案外アリかも。
2.北陸新幹線連絡快速『しらさぎ』
これも何番煎じか…。何度も考えてしまう事項であり、いよいよ北陸新幹線も延伸開業が形になり始めている頃。そして315系が(4両編成もあるが)8両編成となることで、一部では東海道本線名古屋地区快速系統への投入といった声もささやかれている。
個人的には何度も唱えているように、名古屋~敦賀といった比較的短距離ならばわざわざJR西日本が特急として残すこともなさそう。一方で名古屋地区から北陸方向への需要は求められていることから、JR東海による"新快速"としてならどうかというもの。
これならば指定席を(1両が基本となるものの可能ならば)2両にして、8両編成を"新快速"専用として投入することとなる。なんなら大垣~豊橋の快速系統と統合して、一気に快速種別を再編。豊橋~敦賀の快速直通運転までいっそ実現してほしい。
さて、315系(の自由席)はオールロングシートと発表されている。この系統でオールロングシートというのは、場合によるが賛同しかねる。そこで…、6両編成の313系5000番台だ。
8両編成(の自由席)も一旦オールロングシートで新規製造し、313系5000番台のクロスシートと入れ替えたい。こうしてオールロングシートとなった6両編成(2000番台へ改番)は、中央西線へ移籍できるという流れ。これならば事前発表から偽りがない。
で…、長浜~敦賀はホーム有効長の関係で途中無停車やむなし。逆に棲み分けを図ると思えばいいのではないだろうか?
(大阪方向の『サンダーバード』は比較的距離を有するうえ、本数の多さから優先的な接続が考えられる。こちらはJR西日本が単独運行する特急として、基本的にそのまま継続することだろう。交直流設備が必要かはさておき、289系という例もあることだし。)
3.長崎新幹線『かもめ』
佐賀県が色々ともめており、新鳥栖から武雄温泉を経て長崎へ直通させないというならば存在意義も怪しい。完成済み区間を軌間1067mmへ改め、博多からの直通を継続させたほうが理にかなっている。最高速度も200km/hまでなら可能だろうし。
新鳥栖~長崎を完全な形で開業させるならば、ぜひ新大阪までの乗り入れを考慮すべし。理想は新大阪~博多で鹿児島新幹線『さくら』と併結し、16両で運転。博多で分割併合し、それぞれ8両編成で運転する方式。
前者の場合は車両をどうするか。現行の885系を継続使用するにしても、最高速度や耐久性で問題が避けられない。フリーゲージ新幹線第3次試験車両をイメージさせる外観だろうか?後者は必然的にN700Sと決まり、JR東日本で採用される分割併合装置という形か。
それにしても九州用のN700は、特に指定席が素晴らしい。新大阪からそれらを狙うならば8両編成で、座席数が少なくなっている。16両編成となり、高級な普通車指定席の座席数が増えるならば賛成したい。(今はアレだけど、海外組は『のぞみ』に乗れないし。)
(つづく)
※315系のイメージ画像はJR東海による公式発表資料から引用しました。