2018年8月27日(月)午後0時38分 高知県宿毛市・宿毛駅
往路とは一転してオールロングシート車両。しかしその車内は特別仕様となっており、天井には涼しげな七夕飾り。スピーカーやシャンデリアなど、団体運用も考慮されている。
もも「どうせちょっと乗るだけでしょ、何が不満か。」
めぐ「さっき…、中の写真あったかなって。」
62.宿毛12:50発→中村13:20着 普通618D/中村行き TKT8000-21
宿毛を発車した単行気動車。駅の周辺は建物も多くなく、市街地というより郊外らしい雰囲気。高知市まで137km、往路と同じように戻る…。
なな「結構遠いよね。」
もも「ま、道中も無駄にしないってんだし。」
有岡は1線スルーの相対式ホームだが、往路と同じく待避線へ進む。停車時間に何もなく、そのまますぐに発車。
めぐ「あれ…?」
さく「何、期待した?」
具同からは遠目に住宅街を眺められる。
なぎ「…こういうの好きなんだよな?」
なな「えっと、山とかじゃなくって?」
中村の手前で四万十川を渡る。この付近は似たような雰囲気の川が複数あり、地図等で調べなければ"本流"が判別できない。
63.中村13:24発→高知15:04着 特急あしずり6号/高知行き 2155
到着したら、隣の特急はまたも2両。前後ともリニューアルされており、後方になった1号車へ。やはり全室ではなく、1~7列目だけが指定席となる。見たところまあまあ乗っているようだ。
停車した土佐入野はホームが1本だけで、往路は反対側であったため見られなかったもの。駅舎にはケーキ屋が入居しているようだ。以後も往路とは反対側であるため、終始内陸部の景色となる。
ユン「ケーキ…、何あるんですかね?」
なぎ「ごめん、そういうのは勘弁してくれ。」
そのまま少し寝ていたらしい。清らかな川の流れる風景とともに、窪川まではもうすぐ…。
めぐ「あ、またいい景色。」
もも「いい色してるわね。」
窪川からはJRの路線となる。構内ではしまんトロッコの車両が佇んでおり、予土線で運行される。こちらもまた、多発した災害の影響で計画変更を余儀なくされた路線。
さく「これも乗ろうとしたけど、ダメだった。」
なな「じゃあ…、その代わりに次。乗るの?」
予土線は8月中に再開したものの、宇和島から松山へ通じる方向は出発までに間に合わず。その代替行程として選んだのが、次に予定している『ごめん・なはり線』だ。さて、土佐久礼に停車した後のこと。
さく「そういえば、高速道路ってどこからだっけ?」
めぐ「…どこからだっけ?」
もも「アンタ詳しいんじゃないの?」
土佐新荘を通過する前に渡る川。後で調べれば、その名前こそ『新荘川』だという。今日はまさしく清流を眺める旅らしい。
なぎ「なんか…、四万十川が清流はいいけど。日本最後ってのがわからん。」
土讃線の主要駅、須崎に停車する特急。以降は特急が停車しようとも、しばらく無人駅(もしくはそれに準じる委託駅)が続く。
めぐ「…軽く流す?」
もも「いや、アンタが乗るって決めたんでしょうに。」
須崎から先。土讃線の車窓風景として山々を進んでは、周囲が開けるという繰り返しのようなもの。
ユン「何度見てもいい景色ですよね…。」
なぎ「…こんな夏休み、送れるなんて思ってなかった。」
伊野も無人駅みたいなもの。とさでん交通は少し離れた場所から発着している。そのままJRと少しだけ並走しており、来る日を待って乗りたいものだと考えたい…。
宿毛から合計134分で高知に到着。往路であまり触れることなく終わったコンコースには、アンパンマン広場なるものがある。
めぐ「…これぐらいで。」
なな「あ、ちょっと。いいの?」
ユン「時間ありませんけど。」
64.高知15:19発→奈半利16:35着 快速5840D/奈半利行き 9640-3
15分しかないところで待っていると、入ってきた『ごめん・なはり線』の快速は1両でワンマン運転。タイミング諸々悪く、後方の座席に座ることとなった。
もも「ほら、さっきのとこで…。」
なぎ「アレだけじゃ大して変わらんだろ。」
スリットが入っている木の大屋根越しに見られる、北口の高知駅前。見る限りメインではなさそうだが、長距離バスはここから発着するようだ。
さく「ってか、路面電車入ってちゃバス入れんよ。」
もも「それ、今言う?」
さく「前、来たからわかるよ。」
土佐一宮に停車。駅名で"土佐"はともかく、一宮で『いっく』とはなかなか読まない。
なな「"いちのみや"でしょ。」
めぐ「…ほぼ地元だし。」
それはそうと、前方にあるクロスシートの背もたれ。このために前方の景色はほぼ見られない。いくらなんでも高すぎないだろうか?
めぐ「一応…、目は通してたんだけど。」
もも「まーた、アンタのどうでもいいとこ。」
さく「これは座って考えたいんだよね。」
後免からは名実ともに、土佐くろしお鉄道の快速となる。窪川からは(JRの営業キロを基準として)82.5km離れており、同一会社の路線としては異質なもの。両路線は通常時に一切連動していない。
ユン「で、ここからJRじゃなくって。」
めぐ「そうそう、18きっぷも使えない。」
(つづく)