2018年8月27日(月)午前8時4分 香川県仲多度郡琴平町・琴平駅
59.高松7:20発→高知9:39着 特急しまんと3号/高知行き 2120
電車が乗り入れるのは琴平まで。
めぐ「ここからだよ…。」
もも「わかってることばっかり。」
琴平からは雰囲気が一変。非電化の山岳区間へと進み、特急の通過駅も多くなる。
なぎ「一気に変わるもんな…。」
ユン「わかりやすいですよね。」
さて、そんな土讃線はカーブの多い路線。近年主流となる空気バネ式車体傾斜装置は、空気容量が足りなくなるため不向きと判断されたらしい。
なな「えっと…、ちょっとよくわかんないかな?」
さく「空気バネ式って、ミュースカイと同じタイプっていうと。」
なな「ミュースカイの…、それが使えなかったら?」
さく「今までと同じ、この振り子式。」
坪尻のスイッチバックも、特急は当然のように通過。周囲はすっかり山林しか見当たらない。
ユン「人、いませんよね?」
めぐ「多分…、普段からって人はいなかったんじゃなかったかな?」
高速道路と共に吉野川を渡る2000系。四国内で鉄道と同様に"8の字"状を成しているものの、2018年時点で未開通区間を数多く有している。
もも「それでさ…、原付は高速ダメだから免許取り直しなさいって。」
なな「あ、原付なんだよね?」
めぐ「そんなに遠くまでは行けなくって。」
高松を出て概ね67分、阿波池田に停車する(南風1号・)しまんと3号。旧国名が駅名に記されているように、位置しているのは徳島県。ここまで実は時間があまりかかっていない。
さく「…何分だっけ?」
なぎ「これで…、半分だったか。そんなもん?」
引き続き険しい渓谷と共に、険しい山々を越えていく土讃線。この夏は大雨や台風が多かったのか、見たところでは川の水が濁っているようだ。
なな「ところで…、前に乗った普通列車?どんなのだった?」
めぐ「アレはキハ32って、レールバスみたいでトイレなしオールロングシートで。」
やがて差し掛かるのは、線内で最も景色が美しいとされる大歩危・小歩危。渓谷はおよそ8kmに渡って続く。
停車した大歩危の駅で、反対方向の特急を待つ。観光用の『四国まんなか千年ものがたり』はここを発着駅としている。
ユン「先輩方、こういうのってどう…?」
さく「ちょっとあんまりっていうか、合わないと思ってる。特急でグリーン車だし。」
進行方向右側となった渓谷美は、ホームと柵によって阻まれてしまう。祖谷のかずら橋へはここが最寄だ。
もも「ま、この面々じゃかずら橋もパスよ。」
なな「それより、かずら橋ってわかる?」
入ってきたのはアンパンマンのラッピングを纏った2000系。
めぐ「なんかズレる。」
なぎ「…流しで別にいいんじゃないか?」
右側の渓谷もなかなかタイミングが悪く、写真として捉えられない。川の流れは急なもの。
ユン「これはわかんないですよね。」
もも「だから、落ち着きなさいって言ってんの。」
大杉はホーム有効長の関係で、5両編成では先頭車両のドアが開かない。特急が停車しながら無人駅と同様の扱いであり、車掌が降車客の乗車券類を回収する。
めぐ「また昔の話…、いいですか?」
なな「いいよ、聞きたいな。」
めぐ「こういう山のとこで、ちょっとしたぐらい駅で。夕方に長いこと待つんだけど。」
なな「あ~、そういう雰囲気いいって話でしょ。ちょっと寂しくなっちゃって。」
鉄橋にそのままホームが設けられた土佐北川を、特急は通過する。周囲はこれまた、自然豊かな山林しか見当たらない。
ユン「こういうのも…。」
さく「いいけど、そういうのは2周目以降かなって。」
川は左へいったり、右へいったり…。
なぎ「…はい、次。」
もも「流しゃいいってもんじゃないでしょうに。」
新改のスイッチバックをそのまま通過。坪尻と同様、こちらも周囲に建物は見当たらない。ここからは山を下り、右から視界が開けてくる。
さく「なんか思い出してきた。」
左を見ればもう少しだけ山々が迫った格好だ。
めぐ「次、土佐山田からまた一気に変わってくの。」
さく「そうそう、高知の…。」
特急はそのまま土佐山田に停車。ここからは家々が多くなり、平野部の近郊路線となる。
ユン「あ、確かにそんな感じします。」
なな「ここからはどれぐらいで着くの?」
なぎ「どうだろ…、20分でどうだったか。」
後免でごめん・なはり線が分かれる。JR四国と異なる第3セクター路線で、恒例の青春18きっぷは使用できない路線。後程取り上げよう。
めぐ「ごめん、トイレ。」
もも「ああ、そう?」
平成初期に製造された2000系気動車。時期的なことや土地柄もあってか、車内に洋式トイレはないらしい。
さく「あ、おかえり。」
なぎ「じゃあ次…。」
高架橋へと上がり、市街地らしい雰囲気となった土讃線。もうすぐ高知だ。
高松を出て139分。木でできた大屋根が印象的な、高知の高架駅に到着。乗り継ぎ時間は14分しかなく、周辺を見て回るほどの余裕はない。
めぐ「ごめん、またトイレ。」
もも「あんまり遅くならないでよ?」
ここからトイレ事情は確実に厳しくなるため、済ませておきたいところだった。しかし駅のトイレは開かない…。
(つづく)