2018年8月26日(日)午後3時13分 山口県岩国市・岩国駅
真新しい橋上駅舎を持つ岩国と、整備の進められている駅周辺。JR西日本では駅のコンビニ売店が『セブン-イレブン』になり、一部は『おみやげ街道』として名の下にお土産品を充実させている。
めぐ「…以上。」
なぎ「いいのか…。」
(現)天然水(セブンプレミアム) 98円
とりあえず水分を仕入れて、ホームへ戻ろう。ここからは路線記号[R]が入り、これは大阪近郊周辺と同時に導入されている。自動改札機はICカードにも当然対応させているタイプ。
もも「で…、座りたいだけよね?」
さく「そりゃ、ここから新車だもん。」
座るべく15分立って並び、来たのは227系の6両。広島地区に満を持して登場した新車であり、大阪地区の225系とほぼ同じ車体形状を持つ3ドアクロスシート車両。
なぎ「ようやくか…。」
もも「折り返すんならこんなもんじゃなくって?」
53.岩国15:40発→広島16:32着 普通9374M/瀬野行き クモハ227-32
外の赤い装飾に合わせて座席モケットも赤系、車端部はロングシートとなっている。こちらも列車番号が"9000番台"となっていることから、臨時ダイヤだとわかるもの。待っている客は多かったようだが、全員が座れる程度であった。
さく「本数減ってんだよね。」
めぐ「そうそう、座れんかったらどう…。」
車内案内LEDは動作しないまま、岩国を発車。路線記号[R]は赤色のRedから取り入れられ、ホームの駅名標も赤色が加えられた。景色はといえば引き続き、右が時折オーシャンビュー。左は山々が主体。
めぐ「…寝ていい?」
もも「えっと…、寝てないなら勝手にどうぞ。」
眠気に任せて、気づかぬ間に広島県へ入っている。目覚めて気づけば、車内は"赤装束の人々"でかなり混雑している。臨時ダイヤで本数がやや減っていては、ある程度仕方ないか…。
さく「これさ、年間で一斉なんだよね。」
めぐ「そう、だから…。前もって決めなきゃいけなくって。」
54.広島16:36発→あき亀山17:23着 普通813M/あき亀山行き モハ112-2080
52分かけて『広島』に着くと、隣は113系リニューアル車両。これが予定より1本早い、可部線の電車だ。山陽本線もここから路線記号が[G]に変わって、これは緑色のGreenから取り入れられたもの。
もも「なんかアンタらのやってること裏目よね。」
さく「…逆にアンバランスでいいかも。」
広島の駅からしばらくは都市部らしい路線であり、先程の山陽本線をそのまま戻る形。
なぎ「…さっきパスしたからと?」
めぐ「多分…。」
2路線が相対式ホームを共有する新白島は、2015年に開業した新しい駅。広島高速交通『アストラムライン』との交差箇所だったことから、乗り換え等を目的に設けられた。駅名標は山陽本線(広島~岩国)の赤色が採用されている。
もも「これだったらさっき。」
さく「そうもいかないんだよ、色々。」
旧太田川を渡る113系。広島の市街地は河川によって形成された三角州や扇状地であり、地盤があまり強くないらしい。現在まで地下鉄がなく路面電車を都市内交通の主力としているのも、これが理由だろう。
横川で両路線が分かれ、ホームも位置が離れている。ちょうど広島へ向かう227系が入ってきており、先程と同様に"赤装束の人々"が並んでいた。
なぎ「ここからの景色がな…。」
もも「いつだっけ?朝っぱらから乗るって、結局。」
単独で単線となった可部線。広島市内でも市街地から外れれば起伏ある地形になり、太田川放水路を渡るとトンネルへ。
めぐ「トンネルは覚えてるの。」
さく「じゃあそこから…、何あったかって?」
下祇園は交換可能な島式ホーム。以降は単線のまま、住宅街を縫うように進んでいく。
さく「まあ、市内ならこんなもんかもよ。」
なぎ「お前が言うな。」
アストラムラインが上を交差しているため、大町でも相互に乗り換えられる。ここからは標高を上げていく。
緑井を過ぎ、次第に山々が近づいてきた。斜面にも住宅が建ち並んでおり、独特の雰囲気を生んで…。
めぐ「ごめん、パス。」
もも「いい加減さ…、まとまんないなら最初からやめなさいっての。」
さらに標高を上げ、山々に段々と建ち並ぶ住宅。
さく「…他に何かない?」
なぎ「…ないな。」
かつて可部は可部線の終着駅であり、2009年乗車時は下りることもせずそのまま折り返していた。2017年の"延伸"で中間駅化され、この関連工事によって相対式ホームとなっている。
もも「で、ここからが本番なのよね?」
めぐ「まあ…、そうなんだけど。」
新しい中間駅、河戸帆待川。元々この地区は住宅が多く、通勤需要が高かった。これが可部線の廃止区間復活につながったらしい。
さく「ここからなら座れるだろうし。」
もも「また…、そういう人ばっかり増えてどうすんのよ。」
新しい終着駅、あき亀山に到着。広島駅からは同じ広島市内にして、47分を要した。周辺では現在も土地造成が行われている。
めぐ「案外、遠かったかな…?」
なぎ「…単線ならこんなもんかもな。」
島式1面2線のホームと電留線で構成され、先端に駅舎を持つ頭端式のあき亀山。このことから、これ以上先の復活はないだろう。開業と同じくして路線記号[B]に加えられ、これはBlueの青色ながら"ターコイズ"に近い色。
(つづく)