日本を代表するコメディアン、志村けん氏が3月29日永眠されました。遅ればせながら、謹んでお悔やみ申し上げます。…というのも実は1度だけ、志村けん一座の公演を実際に見たことがありまして。こちらも今は亡き、中日劇場での舞台でした。

その後2018年からは新たに完成した御園座へと移り、2020年も8月に予定されていました。ということでささやかながら、2016年8月11日に出向いた話を座長へ捧げます。


2016年8月11日(木)午後3時35分 名古屋市中村区・名古屋駅

6.名古屋15:36発→栄15:41着 藤が丘行き N1205
 最終的に21本となった東山線の新形式のうち、第5編成からは案内装置に液晶画面を採用。2号車ではなく、2両目という表記となる。ホームドア対応設備も、この編成からは標準装備となっている。

(IC)名古屋市営地下鉄片道運賃:名古屋→栄 200円
 おそらく名古屋地区の全路線で最混雑区間であろう、名古屋から栄までの2駅。5分乗ったところで、ひとまずバスと鉄道の旅行モノは一区切り。

 今回は中日劇場で行われる『志村けん一座第11回公演 志村魂』のチケットを入手する機会があり、せっかくの機会だからと観覧という運びとなったのだ。そのため午後5時の開演に先立つように、午後4時に栄という計画でここまで回ってきたのだ。ついでにこの中日劇場、建て替えが進められている御園座へ機能を統合させる計画だとか…。

 そう、午前に伏見町から見た建設中の超高層ビルである。名古屋には2劇場のほかに名鉄ホールがあったものの、老朽化が進んだため現在営業するのは中日劇場のみ。新しい御園座が完成すると、同じく(中日ビルの)老朽化の進んでいた中日劇場が営業を終えることとなる。

 

 公演は大まかに2部構成となっており、前半は『バカ殿様』から始まる。殿は正面から出てこず、横からキックボードでお出まし。(以降、場内撮影禁止。強く印象に残った箇所を取り上げたい。)

 続いて『だいじょうぶだぁ』に通じるような、各演出家によるコント。ダメだったというのが何かの面接と思わせて"エグザイルのオーディション"で、旅館のマッサージに『ひとみばあさん』とか。

「飯はまだか?」
「おじいちゃん、さっき食べたでしょ。」


 トイレへ向かった間、おじいさんのそうめんを勝手に食べられてたり。テレビでおなじみなものでも、舞台となればまた違った感覚で。…どうも取り上げたところで、文章にまとまらない。

 さて前半が終わると休憩となる。今回は弁当付きであったため、この間に頂くとしよう。


 後半は志村の三味線披露から始まる。こちらはテレビで見られない、真面目なもの…。と思わせてオチはしっかり用意されていた。

 そしてメインであろう。志村が心から尊敬するという藤山寛美の、松竹新喜劇をリメイクした『先づ健康』。(以下、引用あり)

 桜湯を経営する信一さん。近所も評判の親孝行者も、意味を一寸取り違えたらしく。父・松太郎さんを思うあまり、健康のために神経をとがらせ。松太郎さんは外へも出してもらえず、食欲なくしてはいかに豪勢な食事であっても喉を通らない。

 これではかえって病気になってしまうと、ほとほとまいっていた信一さん。そんなところへ来たのは、廃品回収業を営んでいる弟の健次さん。事情を聞いた健次さんは何よりも先づ健康が第一と、父親をめぐって信一さんと兄弟喧嘩。

 その末に父親の借用証まで書かされて、松太郎さんを自分の家へ連れて帰ることにした健次さん…。

 今度は動きっぱなしで、質素な食事はすぐに消化してしまう。食欲も旺盛になった松太郎さんだが、バカ殿様から三味線演奏までしていつまで動けばいいんだと。…ってより、どこまでが台本なのだろうか?

 できること、与えられたこと。できる限りで着実に、積み重ねていこう。確かそんな締めくくりで、そんな気持ちになれたかと。とりあえず、こちらは美しい終わり方であった。

 最後はアンコールとして、変なおじさんで『志村けん一座第11回公演 志村魂』の舞台はお開き。 多いに楽しませていただいた公演が終わり、時刻はもうすぐ夜の9時になる。


 冷たいものが欲しくなったので『富士山のバナジウム天然水』と、『クーリッシュ』のカルピス味を購入。原付を大治西条に置いてあるので、帰りは名鉄バスとなる。


7.栄21:00発→大治西条着 路線バス/津島行き 名鉄バス1559
 …危なかった。西鉄バスらしい"白夜行"が見たくて博多行きに釣られていたら、さらに35分待たなくてはならないところだった。

 発車時点で空席の多かった車内も、噴水南の乗り場で多くの客が乗りこんできた。あっという間に立ち客が多くなり、さらに広小路栄でも多く乗車。そこから進んで、笹島町でも多く乗ってきた。稲葉地町までが名古屋市内となり、大正橋西からは降りる一方。



(IC)名鉄バス片道運賃:栄→大治西条 210円
 同じ均一運賃でも、市バスと異なり後払い式。いつの間にか2台続行運転となっていた名鉄バスを見送り、あとは原付で帰るだけ。ヘッドライトがハイビームしか機能しないので、ロービームの代替としてとりあえず百均のライトがないよりましか?
(おわり)


2016年当時は意識して一応"ネタバレ回避"で無理した流れですけど、この期に及んであまり意味は成さないでしょう。ということでライブドアブログのほうも、各所から引用しつつ内容的に加えておきました。

ところでこの2016年名古屋公演が終わった後、志村座長は肺炎を患ったとかで…。大阪公演中止はともかく、思えばこれが"終わりの始まり"だったのかもしれません。

2020年、座長が存命できたとして公演できたかはわかりません。逆に言えば座長がウイルス感染し、肺炎で亡くなってから日本国内に危機感が生まれたのかもしれません。最期まで国民に笑いを届けるとともに、何かを伝えていたのでしょう。

相変わらず伝わりづらい言い回しで申し訳ございません。ということで勝手ながら『鉄旅リターンズプラス』の初回、ご覧いただきましてありがとうございました。そして志村座長のご冥福をお祈りいたします。