「用意したのは素敵なお家と素敵な車だけです。台本は一切ございません。」

 そう記されたまま"事故物件"と化した、とある都内シェアハウス。リアリティなど存在しない、完全なる演出による惨劇。そもそも了見として、他人の恋愛模様を見て何が楽しいのかわからない。

 さらに日々斜陽化しつつある地上波テレビ業界。そこで"事故物件処理"と"首脳会談"を兼ね、6人が何も知ることなく集められた。

羽鳥慎一:フリーアナウンサー

宮根誠司:司会者

坂上忍:元子役タレント

岩田明子:政治記者

安藤優子:ニュースキャスター

岡田晴恵:大学教授

 何が起こったのかもわからず、顔を合わせる男女6人。顔ぶれとしても明らかに若者向けとは相反する組み合わせ。そこへ封書が1つ。

「用意したのは素敵なお家と素敵な車だけです。台本は一切ございません。」

 明らかなデジャブ。幾人かはこの時点で、司会を務める番組にて散々批判した事実を察した。さらに封書を読み進めるとこうも書かれていた。

 この"首脳会談"は地上波テレビ番組の未来について考えることを目的としていること。まとまった期間中、共同生活を送らなければならないこと。テレビ番組出演も6人同時でない場合、パソコンに個別装備させた機能を用いて各々リモート出演しなければならないこと。

 最初の"指令"も記されていた。

「新型コロナウイルスに代わる"新しい固有名称"を考えてください。」

 少なくとも、結論を出すまでは自宅へ帰れない。考えるしかないのだ。そして…、封書の末尾にはこう記されていた。

「見せましょう、テレビの底力を。」

 

(新テレビハウス ※フィクションながら実現希望)