以前に書いた、評価を下せない国会議員へ"究極の2択を迫る件"とは別の話。国政選挙において棄権された分も正式な票数として扱われ、その分だけ国会議員が削減されるならば?


 2017年の第48回衆議院議員総選挙における、愛知県第9区を例に挙げてみよう。当日有権者数435193人中、最終投票率は51.95%。これは前回比1.15ポイント増となる。(以下単純に投票率から割り出しているため、有権者数とここで示す総合計は一致しない。)

 有権者数435193人から投票率は51.95%で、総得票数は226082.7635票。有権者数から投票数を引くと、棄権等して無効となった分は209110.2365票となる。


 実際には長坂康正候補(自由民主党、現職)が104419票獲得して当選し、岡本充功候補(希望の党、現職)は89908票で比例復活している。渡辺裕候補(日本共産党、新人)は25489票で落選した。(2020年現在、岡本氏は国民民主党所属。)

 ここから棄権等による209110.2365票(得票率48.8%)が正式なものとして加われば、長坂候補は惜敗率ですら49.9%(得票率24.3%)に留まってしまう。岡本候補は惜敗率43.0%(得票率21.0%)で、おそらく"比例復活は難しい"。さらに渡辺候補は得票率5.9%で、供託金没収レベルとなってしまう。


 比例代表への重複立候補の場合は、東海ブロック内でドント方式等によって当落が決まる。その話へ進めると非常にややこしくなるうえ、4県(岐阜,静岡,愛知,三重)における合計32選挙区すべてを計算しなければならない。よってこれ以上は計算を断念させてもらう。


 ただ日本国全体でも投票率は53.68%に留まっていることから、おそらく選挙区全候補落選を覚悟しなくてはならないだろう。そうなると辛うじて比例復活を果たした候補だけが生き残り、(比例代表において棄権等を政党として扱わない場合でも)議員数は176に激減。比例代表で棄権等を政党として扱い、割り当てられた分だけ空席となろうものなら…?

 これが"世間の声"であり、単純に"不信任"という回答を国民が下したに過ぎない。国会議員が色々とアレな現状ならば、短期的にはいいのだろう。これまでの"世間離れした行動"を見直す、絶好の機会だ。


 長期的には…、議員数激減で誰が国を動かすのか。このまま成り手がいなくなれば、国政は停滞する。特に比較的若年の、誰かがやらなくてはいけない。有権者も無関心のままではいられない。

 結論、選挙には必ず行こう。できれば当日でなく、適当な理由をつけて期日前に。なんなら…、白票のまま"不信任"を示しつつ。白票は投票数にカウントされるというし。
(おわり)