また間空きました。

めぐみ「今回は前回の内容を彼女の目線になって見ましょうか。下手ですし、あくまで参考ってことでどうぞ。」



容姿端麗、スポーツ万能、頭脳明晰とくれば聞こえはいいのだが、かえってそれがコンプレックスになってしまうこともある。
私は勇気がない。話しかけることも、そればかりか話しかけられることも…。だからだろう、私はひとりぼっちで誰ともうまくやっていけない…

高校3年の春。訳あってこの学校に転校することになったけど、うまくやっていけるだろうか…
そう思いながら、これから通う学校に着いて、職員室に向かった。そこで先生など一通り紹介された。

「クラスに案内するから、私の後に付いてきて。」

担任の後に付きながらクラスの場所へ。

「じゃあ呼ばれたら入って。」

先生は先にクラスに入っていった。

そして…

「黒坂なぎさです。」

しかし、それから誰にも話しかけることも出来ず、1ヶ月が過ぎようとしていた。
やっぱり私はひとりぼっちで、誰ともうまくやっていけないのだろうか…

黒坂なぎさ・エピソード1
第2夜~出会い・side-N


隣の席の市川めぐみは、姫路ももかと連休の予定を話している…。

めぐみ「連休どうする?」
ももか「連休ね。」
めぐみ「どっか…」
ももか「行きゃいいんでしょう一緒に。もうわかってきたの、何が言いたいか。」

「何だよ…?」

旅好き故に、思わず反応してしまった。

めぐみ「いや…、何ですかと言われても…。」
ももか「この女がね、どっか行きたいからってね、わたしを連れ回すの。」
めぐみ「いや、そうじゃなくってね、私が出かけるからせっかくならと。」
ももか「この前なんて身延線とか加古川線とか、わけのわからない…」

面白そう…。もう…、勇気を出すしかない…!

「私も…、一緒に…、行かせてくれないか!?」

めぐみ「へ?」
ももか「まさか…」

「私も…、その旅に…、一緒に…、行かせて欲しいんだ!」

めぐみ「いい…けど。」
ももか「本当にいいの?言っておくけどこの子どこ連れてくかわかんないわよ。」

せっかくここまできたんだ。ここで引き下がったら一生誰ともうまくやっていけない…

「どこにでも行く!だから…、だから…、ぐす…」

私は涙をこらえきれなかった。

ももか「ほら、泣いちゃったじゃない。アンタ謝りなさいよね?」
めぐみ「あ…、ごめん…」
ももか「全然謝ってない!」

そんな私が許せなかった。悔しかった。



めぐみ「……。」
ももか「ほら、黙ってないで。」

黙らなくても、声など出せない…。

「…し…、やっ…り…」

めぐみ「私やっぱり?」
ももか「やめるとか?」

わかってくれた…。

「…って…、…けない…」

ダメだ…

バチーン!!
私に向かって平手打ち…

ももか「ハッキリ言いなさいよ!!」
めぐみ「何もそこまで…」
ももか「アンタの言いたいこと、わかんないじゃない!!」

私の言いたいこと…

「やっぱり…、やめ…」

ももか「ほら…」
めぐみ「違うと思うよ…?」

言おう!

「私…、どうせ…、何も…できないし…、嫌われ…」

バチーン!!
また平手打ち…

ももか「バカ言わないでよ!!私がアンタのこと嫌うとでも言うの!?上等じゃない!アンタなんて知らないから!」
めぐみ「……。」

やっぱり嫌われた…。私なんてどうでもいいんだ…

めぐみ「そんなことないって。」

私なんてどうでもいいんだ…

めぐみ「大丈夫だって、私も…」

私も…?

めぐみ「私も友達いなくて…」

友達いない…?

めぐみ「ごめんなさい!」

どうして…?

めぐみ「だから…、黒坂さんの気持ちが痛いほどわかって…」

私の気持ちがわかるのか…?

めぐみ「その…、一緒に…、一緒に…、一緒に行こうよ!」

本当は行きたかった…。

「…いい…のか?」

めぐみ「だって…、友達…、欲しかった…」

もう答えは決まった。

一緒に行こう。
一緒に出かけよう。

めぐみ「ごめん…なさい…、泣いても…いいよ…」

どうしてだろう…
どうして私なんかにこんなに優しくしてくれるのだろう…

ともあれもう決まったものは仕方ない。
姫路ももかと同じく場所とかは教えてはくれなかったが、もうそんなことは二の次だ。
もう行くしかない。




めぐみ「次回はこの続きで、彼女目線で『青空フリーパス』第1回をまとめてみました。」