ステアリングステム | MCFWit 自由人masaのブログ

MCFWit 自由人masaのブログ

四国は香川県にて、
株式会社モーターサイクルファクトリーWit
という会社を設立し、バイクの修理やメンテナンス、カスタムなど
を主に生業としております。

当ブログをお読み頂き、
それが皆様がお乗りのバイクや車を楽しむヒントになれば幸いです。

今回もKATANA
ステムベアリングの交換でございます。


いつもありがとうございます!
MCFWitmasa です(^-^)

SUZUKIさんの各ベアリングは
よく考えられていて、

こちらのステムベアリングについては、
保持器が樹脂で出来ているのと、
ロアー側はダストシールがベアリングに組まれた状態となっています。


ベアリングには、
Moty's さんの MG85をしっかり充填。


外に塗りつけるだけではなくて、
内側に充填する事でベアリングの寿命も上がるかと。


さて、今回のポイント。
先ずはアッパー側のダストシールが廃盤でしたので、
同じステム径の ZRXDAEG のロアー側のダストシールを流用することに。
なんの算段もなく
どうせ合うやろ?的な乗りで取り寄せてみましたが上手く使えました。


ステムパイプとシールリップに隙間はありますが、
ベアリングには傘として掛かっているので、
ダストシールとしては機能するかと思います。


ついでに、
リングナットもダエグのモノを流用。
そのままではダストシール内径とのサイズと高さ?幅?
が合いませんので、切削加工。


Xのほうでダブルナット仕様の利点を少し話しましたが、
こちらの読者さんの為にもすこしだけ。


ステムナットをダブルにするのは、
組み付け誤差を少なく出来る。
ボクはここに利点を感じています。

シングルナット仕様の場合ですと。
ステムベアリングの最終プリロードは、
ステムナットではなくステムトップナットを締め付ける事で決まるというところ。

という事は、
ステムトップナットを締め付ける事で強まるプリロード分をマイナスしてステムナットを締め付ける。
という感覚頼りで経験も必要になってくる仕組み。

ボクはそういうのはあまり好まないので、
ダブルナット仕様にすると言うワケ。

ダブルナット仕様ですと、
下側のリングナットがステムベアリングのプリロードを決めます。
そして上側のステムナットはステムトップナットの締め付けを受けます。
この構造ですとトップナットを締め付けてもステムベアリングのプリロード変化がほとんどない状態に出来るので、
作業者が変わることによる組み付け誤差は最小になるかと思います。

ダブルナット仕様の、上側のナットの締め付けについては特に指定値というモノはなく。
位置決めの爪ワッシャーを使い、弱過ぎず強すぎず良いところで止めて爪を折るといった、
曖昧といえば曖昧ですが、
良い塩梅にしなさいという指示がされています。


ステムベアリングのプリロード調整。
リングナットの締め付けは、
昔ながらのやり方。

一度ギュッと締め付けて
次にガタが出るまでリングナットを緩める。
その後、ガタがなくなるまで再度締め付けるといった流れ。
そうすると、
だいたい指定値付近の締め付けトルクになるかと思います。

リングナットの締め付け値に関しては、
使うグリスなどで狙えるプリロードも変わってくるので、サービスマニュアルに記されている規定値は、最大値または無難な値と考えるとよいのではと思います。


といったところで👋