上映時間2時間25分をまったく飽きさせない力強く面白い作品でした。
あの『永遠の0』のスタッフが再結集して作り上げた映画『海賊とよばれた男』は、今年観た映画のMYベスト5に入ります。
出光興産の創業者である出光佐三をモデルした国岡鐵造の20代から90代までの生涯を描いた百田尚樹原作の力作です。
海賊とよばれた男 (2016年 日本)
脚本/監督 山崎 貴
出演 岡田准一 吉岡秀隆 染谷将太 鈴木亮平 野間口徹 ピエール瀧 綾瀬はるか
堤 真一 國村 隼 小林 薫 黒木 華 光石 研 近藤正臣
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1945年。
B-29の放つ焼夷弾は首都・東京を容赦無く焼き尽くしていた。
石油不足のため、迎え撃つ戦闘機の発進もままならず、国岡商店の店主・国岡鐵造(岡田准一)は怒りの表情を浮かべながら燃え盛る街の様子を見つめていた。
時は遡り1912年、北九州・門司。
石炭に代わってこれからは石油の時代が来ると日本において早くから石油を中心にした商売に取り組んでいた国岡商店。若き店主の国岡鐵造の熱意も石炭全盛の時代においては商談へとなかなか結びつかず、廃業の危機を迎えていた。
ある日ポンポン船と呼ばれる小型漁船に油を売ることを思いついた鐵造は、周囲から「海賊」と呼ばれながらも着々と国岡商店の売り上げを伸ばしていった。
それは、店主の鐵造を心から信頼しついて来てくれる店員達の努力の賜物でもあった。
忘れてならないのは19歳で鐵造の妻となったユキ(綾瀬はるか)の愛だった。
そして1917年の満州、1953年の東京と石油メジャーとの闘いの日々が続いていく。
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『永遠の0』もそうでしたが、百田尚樹の原作に感動し映画もぜひ観てみたいと思わせた作品『海賊とよばれた男』。
正直、前半部ではだいぶはっしょっているなという印象もちらりと持ちましたが、映画化するにはこれでいいのかなと観進めるうちに納得していきました。
メリハリが実に良くきいていて重要な場面がしっかりと組み入れられていて冒頭でお伝えしたように飽きさせず、作品にぐいぐい引き込まれていきました。
信念を貫き通すがゆえにライバル会社との確執が生まれたり、石油メジャーににらまれつぶされそうになりながらも、先を見据えて幾多の困難を乗り越えていく鐵造の生き様には憧れの気持ちがあふれると同時に身が引き締まる思いがしました。
妻となりつらい別れをすることになるユキとのエピソードには後半に思わず涙ぐんでしまいました。
東雲忠司役の吉岡秀隆の時にコミカルな演技は作品にある種の安らぎを与え、国岡商店とはただならぬ因縁がある石統(石油統制会社)の社長である鳥川卓巳役の國村隼は正にはまり役でした。
なにより物語のパートの多くを占める60代の鐵造を演じた岡田准一が本当に60代に見え、迫力の演技を見せていたのには感心しました。
12/15~12/16にかけて安倍首相とロシアのプーチン大統領による首脳会談が行われました。71年前に終戦の時を迎えたあの戦争は多くの悲劇をもたらし、未だにロシアと日本の間には平和条約が締結されていません。そして歴史の真実は年々薄れていく危うさもあります。
それでも戦後の日本は多くの先人達の努力の積み重ねの末に今に至る平和を手にしています。(但し、問題は山積みです)
正しい歴史認識に立ちロシア等の周辺国家、また世界の国々と本当の意味で解り合える日を目指して一歩一歩進んでいくしかないのではと、この映画を観たのとほぼ同じタイミングで報道された首脳会談の様子を見て思ったりもしました。
