1977年「未知との遭遇」、1997年「コンタクト」
そして2017年「メッセージ」
20年に一度誕生する、全ての人の胸を打つSF感動作!
このキャッチフレーズは鑑賞後に見たのですが、確かに鑑賞中に「コンタクト」のジョディ・フォスターを思い出しました。
派手なアクションはほとんど無く、謎に包まれた中で物語は静かに進行していきます。
もっとも、一触即発の緊迫感も漂っていて、けっして飽きさせない作りになっています。
世界各地に12体の未確認飛行物体が出現し地上から極近距離に浮遊中とのニュースが駆け巡ります。
言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は突然アメリカ軍大佐ウェバー(フォレスト・ウィデカー)らの訪問を受け、アメリカに飛来した1体の近くに設けられた宿営地に同行することになります。
同じく緊急招集された数学者イアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)らと共同して物体内に2体いる地球外生命体(ヘプタポッド)とのコミュニケーションを図ることになります。
同様の試みは日本の北海道を含む各地でも進められていました。
「彼らの目的は何なのか」
この一点を理解するために知恵とテクノロジーが駆使されます。
今作で描かれる地球外生命体は、足こそ8本ではなく7本ながらも、まるで巨大な「タコ」の様な形態をしています。
しかもコミュニケーションには体内から墨のようなものを空間に吹き付けることによりなされます。
吹き付けられる墨は円形で、ある種の規則性を有しているように思われます。
解析の結果、彼らの目的が「人類に武器を与えること」だと言うことだけは判明します。
ところがその解釈は各国で異なっており解決への足並みは揃いません。
中国などは撃退のために武器の使用を検討し始めます。
平和的解決か武力行使か。
最近もどこかで聞いたような・・・・。
未知のものへの世界各国の対応が現実世界と対比してみて非常に興味深いです。
全編を通じて主人公のルイーズの頭の中を去来する自分の娘との過去の想いでの様な光景が物語の謎を解く鍵になっていきます。
彼女は独身で娘を持ったことが無いのです。
「時」とは、現在だけではないという、SF永遠のテーマが胸を打つ感動と共に語られるSF映画の秀作と感じました。
地球外生命体(ヘプタポッド)が地球を訪れた真の目的、深いですね。
メッセージ (2016年 アメリカ)
監督 ドウニ・ヴィルヌーヴ
原作 テッド・チャン「あなたの人生の物語」
脚本 エリック・ハイセラー
出演 エイミー・アダムス ジェレミー・レナー フォレスト・ウィデカー マイケル・スタルバーグ
マーク・オブライエン ツィ・マー