ゼノン製スパー・ピニオンのお話しの
続きです。
スパーギヤについて その⑪
歯の摩耗について
スパーギヤやピニオンギヤの歯が摩耗すると本来の性能は発揮出来ないばかりか破損してレースをリタイヤする場合がございます。下の図の赤色の破線の様に変形した物は使用しない方が良いです。
...スパーギヤの場合、柔らかい素材を使用すると基本的に歯が摩耗し易い傾向にあります。
ピニオンギヤの場合は元になる素材、表面処理及び熱処理等で変わります。使用しても出来るだけ歯が変形しない物を選びましょう
その⑫に続く
スパーギヤについて その⑫
スパーギヤの横ブレについて
ツーリングのスパーギヤではビス止めやスパーギヤホルダーにて挟み込む形になっていますので殆ど起きないのですが1/12等のDDカーではスパーギヤが直接ボールデフにもなっていますので中心のベアリングとのクリアランスが大きい場合や薄いと起きやすくなります。
...スパーギヤが横ブレを起こしていると言う事はピニオンギヤとの噛み合いが斜めになっている(平行では無い)ので伝達できるトルクが減ります。
横ブレを起こしているスパーギヤはスロットルを開けて行くとある一定回転数以上で揺れるような横ブレは無くなりきれいに廻ります。これは低負荷(カラ回し等)で一定回転数にて使用する場合は問題ないのですがラジコンカーの場合この条件ではまず使用できません。加速や減速等で絶えず回転数は変化していて、タイヤのグリップも有るので負荷も高負荷になります。
その⑬に続く
スパーギヤについて その⑬
スパーギヤのデフについて
1/12等のDDカーではスパーギヤが直接ボールデフになります。その為デフボールの穴とデフボールのクリアランスを適正にしなければ絶えずデフボールが遠心力や加速、減速、横Gの負荷がかかり、移動します。またデフリングの溝も一定の円に付き難くなります。
...デフボールの穴の形状も丸くするとデフボールが穴の中で移動し易いのでデフグリスを留めておく場所(グリス溜り)が減ります。その為デフボールの穴は多角形(四角、六角、八角等)にすると遠心力や加速、減速の負荷が掛かった時にデフボールが数点で固定されデフボールの移動し辛くいたします。またこのデフボールと穴の接触箇所が多いほど(多角形)接点が多くなりノンスリップ効果を得易くなります。メンテナンス中にこの様な負荷がかかった状態を確認するのは難しいです。
その⑭に続く
スパーギヤについて その⑭
エネルギーの伝達について
ギヤはエネルギーを伝達する際に一定の力で伝達するのでは無くON/OFFのパルスで力を伝達するとイメージです。これは歯と歯が噛み合う時にはどうしても物理的にギヤ同士が叩くからです。その為ピッチ(モジュール)の荒いギヤ(32ピッチ等)を使うと荒く、細かいピッチ(64ピッチ等)を使うとスムーズな加速感を得れます。
...アンプの周波数を変えるのと同じイメージですね。
その⑮に続く
スパーギヤについて その⑮
樹脂成型不良について
樹脂成型のスパーギヤや他の部品は設計に整形不良が無い事を前提にして強度計算等を行って製品にします。...
例えば
① スペース的に強度不足の場合→素材を硬く、又は素材に補強材を入れて対応
② 材料的に限界→構造を変更して対応