当店でも人気の高い
ゼノン製スパー・ピニオンギヤに関する
詳しい話が紹介されてました。
ゼノンレーシング代表の許可を得たので
ご紹介します。
その15までありますので、3回に分けて
ご紹介します。
ちょっとマニアックな話ですが
お時間あるときに、ゆっくり読んでみて下さい。
スパーギヤについて その①
いつも弊社製品をご愛顧いただきまことにありがとうございます。
弊社は2002年よりスパーギヤを販売しており、それまで過半数であったツーリングカーは48ピッチを使用すると言う概念を打ち破る為にワザと最初は64ピッチのスパーギヤのみ販売いたしました。半年遅れで48ピッチを販売する事になりました。
販売当初はお客様からの48ピッチは販売しないのか等の不平不満をお伺いしながら半年後には殆どのユーザー様が64ピッチでツーリングカーを走らせる事が当たり前になっていました。...
その②につづく
※写真はゼノンレーシング初のオリジナルスパーギヤ「パーフェクトスパーギヤ」です。
スパーギヤについて その②
2002年までに販売されていた汎用型樹脂成型のスパーギヤは最少で88T、最大で128T、歯数も最多種メーカーで偶数のみ、4枚刻み、5枚刻みや6枚刻みのメーカーもございました。今では当たり前になっていますが2002年時点で世界初の汎用性樹脂成型スパーギヤとして最少から最大の87T~130Tを1枚刻みで販売しました。
その③につづく
スパーギヤについて その③
スパーギヤの企画を始めた2000年当時は48ピッチがツーリングカーで主流でしたがそれはなぜかと言うと「壊れない」為でした。効率では無くレースを完走する為に48ピッチを使用していました。
当時のスパーギヤ(現在の一部のスパーギヤも含まれる)は芯ブレが酷く、スパーギヤが偏芯していて一回転する間にバックラッシュが狭くなる所と広くなる所があり、その為バックラッシュが広い所でクラッシュ等の大きな負荷が掛かるとその数枚の歯が壊れて走行不能になる事が多かったのです(スパーギヤが壊れる時に数枚しか壊れない物は芯ブレしている事を疑った方が良いです)。
この状況を打破するために考えたコンセプトは...
1. 芯ブレ、横ブレを起こさないスパーギヤ
2. 効率を重視して脆いが潤滑性の良い※デルリン系の素材
この様な厳しい条件でスパーギヤを作り始めました
※デルリンはデュポン(Du Pont®)社の登録商標です。
その④につづく
スパーギヤについて その④
この当時ツーリングカーの主流が23Tストックモーターでした。このモーターは出力が無いのでギヤー比がとても大事でピニオンギヤ1枚変えるとギヤー比が変わり過ぎ効率良くモーターの出力を使えませんでした。また1/12レーシングでも8分間の走行時間を走りきる事がかなり厳しくスポンジタイヤで有る為、決まった指数(モーター1回転でタイヤが何ミリ進む)から変更する事はかなりリスクの有る事でした。
これらの問題を解決するために1枚刻みのスパーギヤを作る決意をしましたが樹脂成型スパーギアの場合1番の問題はその種類ごとに金型を作らなくていけません。64ピッチが87T~130T(44種類)、48ピッチが65T~96T(32種類)合計76個の金型を作らなくてはならないと言う事でした。この初期投資が問題で他社ではやらなかったんだろうと想像できました
その⑤につづく
スパーギヤについて その⑤
納得が出来る品質のスパーギヤが試作出来たので販売する際に一気に48と64ピッチ両方販売するか先に64ピッチのみを販売して64ピッチでも壊れず、効率の良いスパーギヤを世の中に普及させるかを悩みましたが後者を選び、約半年程後に48ピッチスパーギヤの販売を遅らせました。
この頃のツーリングカーの規模を考えると無謀に近い判断でした。ゴールデンウィーク直前に64ピッチを初出荷し販売当初からお客様や小売店様からは「48ピッチはいつ発売ですか等」のご質問を頂きました。ですが半年後に48ピッチを販売する頃には殆どのユーザーは64ピッチに変わっていました。
64ピッチの方が48ピッチより高効率でドライブフィールも良くなった為だと想像します。
その⑥につづく