植物園講演
 講演会時間がやりくりできて、参加しました。21日から始まる万葉の道の記念イベントで、大阪市立大学大学院文学研究科の村田正博先生の「萬葉集散策 -深き思いを草木に寄せてー」の講演でした。会場は自然史博物館の講堂でしたが、満員で、立ち見も出る盛況ぶりでした。

 内容は万葉歌人が歌に自然の草木にを読み込むことで、本音や思いを語っているというものでした。確かに今より自然に触れ合っていた生活でしたから、歌に草木が出て当然だろうとは思っていましたが、その中身に万葉人の粋を感じる歌が多いことでした。

 講演の中の紹介された歌と説明を少し話します。

 「なずき(那豆岐)の 田の稲がらに 稲がらに はひもとほろふ ところでら」

 ヤマトタケルノミコトが 西方諸国、東方諸国の平定を命ぜられ、最後に伊吹山で亡くなった時に 家族の者が集まり読まれた歌だそうです。泥深い地続きの田の稲がらにはい続けるところづらと言う意味で、今の嘆き悲しむ気持ちを はい続けるところづらに表しているそうです。「ところづら」とは如何な植物かという探求のお話が続きました。

 「さのかたは みにならずとも はなのみに さきてみえこそ こいのなぐさに」

 恋焦がれている男性が女性にさのかた(あけび)は実にならなくてもいいから 咲いた花のままでいてほしい!恋のなぐさみになるから・・・と自分の思いが遂げられない男性の心を詠んだ歌だそうです。それに対した女性からの返歌

 「さのかたは みになりにしを いまさらに はるさめふりて はなさかめやも」

 その男性にあけびはもうとっくに実になっているのに、いまさら春雨が降って花が咲くなんてありえませんよ。と言って返しています。男性は大失恋したようですね。この歌を知るとこのころの人々が自由奔放に恋をしていた様子を感じます。心も自然の中ではぐくまれていたんですね。先生のお話ではあけびは雌雄同株ですが、雌雄異花で、雌花は薄紫、雄花は白で昆虫を介して受粉するです。で万葉人はこのあけびの性質を良く知っていて歌に詠み込んだと言っておられました。

 紹介された歌の結論として万葉人の知識の深さ、大らかさ、草木の造詣の深さなどが読詠みこまれているということでした。

 難しい講義かと思っていたら、笑いの絶えない面白い講演で、楽しかったです。古文は言葉が難解なので敬遠ぎみでしたが、ちょっと歌に触れて良さが解りました。植物園には万葉の道と題して、歌と詠み込まれている植物を紹介しているそうなので、また探訪して見ようと思います。

最後に現代の草木と対話している詩を紹介されました。新川 和江さんの「木陰に入ると・・・」と宮尾 節子さんの「炎夏」とほしのとみひろさんの「四季抄 風の旅」の何篇かとハミール ジブラーン著 神谷 美恵子訳 「おお地球よ」です。どの詩も植物のたゆまない努力に受けている恩恵を表現したもので素敵でした。 植物を見る目は心を豊かにしてくれるんだとこの講演を聞いて改めて感じました。植物園の四季折々を見ながら豊かな心を持ち続けようと思います。この続きの講演は今後もあるようです。次回も参加しようと思います。

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