雨に濡れたまま帰宅すると、夫が驚いた顔で迎えた。
「どうしたんだよ、傘持ってたんじゃないの?」
「…ちょっとぼーっとしてたみたい」
笑ってごまかそうとしたけれど、
夫は私の髪にそっとタオルをかけながら、じっと目を覗き込んだ。
「最近、元気なかったよな」
ドキリとした。でも、違う。
夫は疑っているわけではなく、ただ私を心配しているのだ。
「何かあったの?」
問いかける声が優しくて、私は思わず涙をこぼしそうになった。
「ううん…なんでもない。ごめんね」
夫は深くは追及せず、優しく髪を拭いてくれた。
そのぬくもりに、私は胸が締めつけられた。

