カフェで向かい合って座るスーツ姿の藤崎は、ジムで見るよりも少し大人びて見えた。


「お酒とか飲むの?」


「うーん、弱くはないけど、酔うと独占欲が強くなるって言われる」


「へえ……どんな風に?」


「……好きな人が他の人と仲良くしてるの、嫌になったり」


千尋は冗談めかして言ったが、藤崎の表情が一瞬変わった。


「それ、可愛いね」


ドキン、と胸が鳴る。


「でも……僕はにはもう、そういう場はないだろうな」


当たり前の言葉なのに、千尋の心には小さな棘が刺さった。