藤崎と会うたびに、千尋は自分の心が制御できなくなっていくのを感じた。


「もっと話したい」

「もっと知りたい」


そう思えば思うほど、彼の指輪が目に入るたびに胸が締めつけられる。


ある夜、千尋は思い切って藤崎にメッセージを送った。


「今、少しだけ会えない?」


数分後、既読がついたままの画面をじっと見つめる。


そして、鳴ったスマホ。


「仕事終わって駅……よければジムの近くの公園に来れないか」


千尋はすぐに上着を掴んで、家を飛び出した。