夜の公園。
ベンチに並んで座る二人。
「こんな時間に呼び出して、ごめんね」
「いや。僕も……会いたかったから。でも伝えなきゃいけないと思って」
千尋の心臓が音立てている。
彼の横顔が驚くほど優しい。
「僕は千尋のことをいつも気にしている。でも、これ以上はダメだよ。お互いのためにもね」
彼の言葉は、静かに千尋の心を締めつけた。
「……わかってる」
千尋はうつむき、そっと手を握る。
その手を藤崎は一瞬だけ握り返した。
そして、ふっと力を抜いて、そのまま離した。
夜の公園は静かだった。
この関係は、きっと今日で終わる。
でも、千尋の胸に残った温かさは、しばらく消えない気がした。
「さよならは言わないね」
「うん。……おやすみ」
千尋は最後に、
彼の笑顔をしっかりと焼き付けた。

