あの夜から、千尋と藤崎の関係は確かに変わった。
けれど、日常は続く。
千尋は夫と何気ない会話をし、藤崎は娘と遊ぶ時間を大切にしている。
それでも、二人は何かの合間を縫うように会った。
「また、会える?」
「……うん」
一緒にいるときは、ただ幸せだった。でも、ふとした瞬間に頭をよぎる。
――この関係に、終わりは来るんだろうか?
ある日、藤崎からメッセージが届く。
「会えない?」
いつもなら嬉しいはずなのに、千尋の指はすぐに動かなかった。
夫がソファで寝落ちしているのを見て、
千尋は静かに息を吐く。
この関係が壊れたとき、自分はどうなるんだろう。
初めて、怖くなった。

