「もう……終わりにしない?」


と千尋から言った。その瞬間、胸が痛んだ。


藤崎はしばらく黙ったあと、小さく微笑んだ。


「そうだね。……実は同じことを考えてた、先に言わせてごめんね」


千尋は彼のその言葉に、どうしようもなく涙が込み上げる。


「ごめんね……こんなに好きになっちゃって」


「謝ることじゃないよ」


そっと藤崎は千尋の頭を撫でる。


「楽しかった。……本当に、千尋といる時間が」


最後のキスをした。



千尋は藤崎の背中を見送りながら、小さく笑う。


「私……バカみたいだな」


でも、不思議と後悔はなかった。


きっとこの恋は、消えてしまう。



でも、確かに心に残る。


そんな恋があっても、いいと思えた。


ー終わりー