voice 24 | ポカポカ日和【櫻葉小説】

ポカポカ日和【櫻葉小説】

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嵐さんファンです。
大好きな櫻井さん、相葉さんのお話を書いてます。

BLになっておりますので、ご注意下さい
m(_ _)m



目が覚めたら、


そこはじいちゃん家ではなくて、


見馴れた病室の天井、だった。





どれほどの間オレは意識を失っていたのか、


ベッド脇にある机に手を伸ばして、


手探りで手繰り寄せたスマホを開いたら






びっくりした。


あの日から5日も、経っていた。





 『 ま、さき …… 、』



発したハズの声は酸素マスクを曇らすだけで


うまく言葉にならないまま、喉の奥へと消える。



耳元で母さんの声がして、


視線を向けると安堵の表情を浮かべるから


オレも笑ってみせた、けど




ごめん、母さん


きっとたくさん、心配かけたのに、




オレの頭の中は、


まさきで、いっぱいだった。





まさきは、


どうしてる?



姿を見せないオレを、


あの場所で待ってたり、する?




それとも、





約束を守れなかったオレを、


もう疾うに見限ってる、かな。






あんなに守りたかった「 約束 」を、


オレはたったの一日で、


破ってしまった。





たったの、一日で。





自分の不甲斐なさがあまりにも悔しくて、


情けなくて、


思わず込み上げるモノが、視界を滲ませた。




ごめん、


ごめん、ね、まさき。


守れない約束なんかして、


本当に、……… ごめん。





溢れ落ちる涙を


スマホを握りしめたままの手で拭おうとしたら、


スマホケースに挟まっていたであろう何かが


カサリ、と音を立ててシーツに落ちた。






それはあの日、


まさきがオレにくれた四つ葉のクローバー。



しょうちゃんに幸せをあげる、って


オレの大好きな笑顔で渡してくれた、クローバー。





オレのために、


わざわざ手を加えてくれた、


大切な、プレゼント。





震える手でそれを拾い上げると


何か文字が書いてあるのが見えて、


それは見落としてしまいそうなくらい


小さな小さな文字だった、けど






あの日、発作が起きる前


まさきはオレに何かを、言っていた。


あの日の、口の動き




もしかして、


これを、伝えようとしてくれたの?






「 think  of  me  」

  ( 僕を、想って )






オレはそれを握りしめて


母さんが狼狽えてしまうほど、


思い切り、


泣いてしまったんだ。