voice 23 | ポカポカ日和【櫻葉小説】

ポカポカ日和【櫻葉小説】

お越しいただきありがとうございます。

嵐さんファンです。
大好きな櫻井さん、相葉さんのお話を書いてます。

BLになっておりますので、ご注意下さい
m(_ _)m




『 ご、ごめんっ!!』


ハッ、と我に返って慌ててまさきを離した。







『 … う、ううん。


はい、どうぞ。 』




無理やり抱き締めてしまったのに、


恐る恐る窺ったまさきの顔は、


怒ってる様子もなくて、


むしろニッコリ笑って


オレの手にクローバーをのせてくれたから、




『 あ、りがとう。 』




ホッ、としたのも束の間、



自分の起こした大胆な行動に、


今更ながらドキドキしてきて、











そのドキドキが、


治るどころかますます激しい鼓動へと変わっていくのを感じて、










マズイ、と思った。




息を整えようとするものの、


胸が苦しくてなかなかうまくいかなくて、




でも


目の前のまさきに悟られないように、


必死で笑顔を作って、浅い呼吸を繰り返す。





今ここで発作を起こしてしまったら、


まさきに、迷惑をかけてしまう。



いつかの、


あのまさきの、泣き顔が頭を過って




それだけは、


絶対、避けなきゃ、って



落ち着け、落ち着けって自分に言い聞かせてたら





突然の耳鳴りに、襲われた。







目の前のまさきが、


なにか言った気がしたのに、


その声は、オレには届かなくて。






聴こえないのに、


聴こえたフリをして


笑顔で、誤魔化した。















まさきの前では、


普段通りのオレを振舞えてた、ハズ。


ちゃんといつもの分かれ道で、


『 じゃあ、ね。』って言えた、ハズ。







何度も振り返るまさきを見送ってから


途切れそうになる意識をなんとか持ち堪えて


じいちゃんの家に着いた途端、








オレの記憶はそこで、


プツリと、途絶えた。