東京に戻れば、
元気を取り戻したハズのカラダは、
度々発作に襲われて、
入退院を繰り返す生活に逆戻りする中、
病室のベッドで、
いつも考えてたのは、まさきのコト。
苦しければ、
苦しいほど、
脳裏に浮かぶまさきの笑顔が、
オレを励ましてくれて、
乗り越えられた夜は一度や二度じゃ、ない。
まさきの存在が、
なによりも、オレの心の拠り所で
ずっと、
なんでなんだろう、って考えてたんだ。
一緒に過ごしてきた時間は、
遥かに家族の方が長い、のに
苦しい時にいちばん会いたいのは、
まさき、だという事実。
でも、ね。
ようやく分かった。
答えは至極簡単、だった。
家族でも、友達でもない
年下の、
しかも、夏だけにしか会えないまさきを、
こんなにも、
求めてしまうのは、
オレがまさきを、
────── 好き、だから、だったんだ。