voice 13 | ポカポカ日和【櫻葉小説】

ポカポカ日和【櫻葉小説】

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嵐さんファンです。
大好きな櫻井さん、相葉さんのお話を書いてます。

BLになっておりますので、ご注意下さい
m(_ _)m




まさきくんには、


病気のことは、伏せていた。




話す機会は、いちど、あった。



点滴の跡が残る腕を隠したくて、


真夏なのに長袖シャツばかり着てるオレに



『 あつくないの?』って


まさきくんが、聞いてきた時。



咄嗟のことに言葉が詰まって、


ホントの事を言おうか、


どうしようか、


凄く迷って、


でも結局、言えなかった。





まさきくんをまた、泣かせてしまうんじゃないか、って


それが、


怖かった、から。






まさきくんは覚えていないだろうけど、


まだ出会ったばかりの頃、


オレはまさきくんの前で派手に転んだ事があった。


恥ずかしさが先に来て、


痛みなんてほとんど感じていなかったけど、


膝に滲んだ血を見て顔色を変えたまさきくんは、


そのキレイな瞳から


突然、ポロポロと大粒の涙を流したんだ。




『 いたい、ね。


だい、じょうぶ。


いたい、の、いたい、の、とんでけっ。』



声を詰まらせながらも、


膝にふーふーと息を吹きかけながら、


一生懸命、何度も


大丈夫、大丈夫っ、て繰り返してくれたまさきくんの、


その姿を見て、






胸が、詰まった。



まだたったの5歳なのに、


オレの痛みを自分のコトのように感じて、


必死で慰めようとしてくれる


そんな優しいまさきくんを、


自分が、泣かせてしまった。




いつものキラキラした笑顔を、


オレが奪ってしまった。




その事実が、


膝なんかよりずっとずっと、


痛かった。










その痛みは、


大人になった今でもずっと、


胸に、覚えてる。