じいちゃん家にいても、
家の中に閉じこもってばかりのオレに、
見兼ねたばあちゃんが、
知り合いの家にお孫さんが今日来るらしいから、一緒に遊んでおいで、って
半ば強制的に家を出されて、
出向いた先にいたのは、
車から父親らしき人に手を引かれて降りてきた
オレよりも小さな男の子だった。
初対面だから、か
オレと目が合うとちょっと緊張した面持ちで
父親らしき人の陰に隠れてしまったキミに、
警戒が少しでも和らげば良いと、
なるべく優しく話しかけて頭をそっと撫でると、
途端に、
ぱあっ、と花が咲いたように笑顔になったキミは、
『 ぼく、あいばまさき。
5さいっ。』
そう元気良く、挨拶をしてくれた。
本来は人懐っこいのか、
仲良くなるのにそんなに時間はかからなくて
懐いてくれたまさきくんが、
キラキラしたつぶらな瞳でオレを見上げるから
もう可愛くて可愛くて、仕方なかった。
弟が出来たみたいで嬉しくて、
キミの
無垢な瞳と、
屈託の無い笑顔を前に、
自然にオレの頬も緩んで、
オレはその日、
本当に、何年か振りに
心から、笑えたんだ。