あの時は、ごめんね。
僕から訊いたくせに、ね。
真摯に答えようとしてくれてたのに、
僕は、
あなたの答えを受け止める自信が、
なかったんだ。
心の何処かで、
あなたには特別な人はいない、って
勝手にそう決めつけてたから、
予想外の反応に、
想像以上にダメージが大きくて。
今更後悔しても遅いけど、
でもあの時から、
僕の心の中で、何かが変わってしまった。
穏やかで、優しいあなたとの大切な時間。
季節の4分の1をあなたとふたりだけで過ごせる幸せに満足してたけど、
じゃあ、春は?
秋は?
冬は?
東京に戻ったら、
あなたは誰と、過ごしてるの?
誰と、…… 笑ってる、の?
考えただけで、胸が苦しくなった。
大好きなあなたが、
突然、
僕の手の届かない遠い存在になった気がして
『 手、…… 繋いで良い? 』
僕の前から消えてしまわないように、と
そうする事でしか
あなたを繋ぎ止める方法が、
あの時の僕には、
見つけられなかった。