編み物が面白い。
一本の糸が、織り成せるもの。
小さな頃から市販のセーターを着たことがない。
何台もの編み機を使いこなし、立体式編物の講師免状まで持っていた母が、何でも作ってくれた。ブティックの仕事もしていたので、大抵は手作り品と気づかれることさえなかった。
そんな母に、手編みを教わった。
当然手編みもできるのだが、基本が機械編みで、ほぼ独学。
詳しいのだが、何かおかしい。
編み目の正しい状態はわかるのだが、編み棒でどうやってそれを作るのか、ちょっとあやふやだったりする。
試行錯誤して、「あ、こうすればいいんじゃん」。
それを人に教えるのだから、間違っていてもわかるはずがない。
動画で編み方を探してみたら、あきらかに母から教わったやり方と違っていた。
…それでも、編みあがる不思議…。
だいたい、メリヤス編みから普通と違ってるってどういうこと?
初心者の自分は、そのまま信じるしかない。
でも当然?思ったとおりのものができあがるわけがない。
おそらく一番簡単な模様編みを10段作るだけで、20回ほどき直した。
毛糸はほぐれてボロボロ。一度も使用していないのに毛羽立ちがひどい。
そもそも、母に教わることができるのは実家に帰った時だけ。
あとは記憶とメモだけが頼り。動画は前述のとおり役に立たない。
そして電話口で教わるのは至難の技だった…。
その上、「代わりに編もうか?半日でできるよ」などと言われた日にはモチベーションも下がるというもの。
そんなこんなでやり直しに嫌気が差し掛かった頃、やっと模様編みとして教わっていた編み方の、糸を掛ける方向が間違っていることに気が付いた。
もはや、違う編み方を教えられたのか、自分の記憶が間違っていたのか定かではない。
そこからは、なんとか先に進めた。
目を落としては拾いなおし拾いなおし、前後で脇の長さが合わず泣く泣くほどき直したり、作業は難航を極めたが、一ヶ月以上かかって袖ぐりの減らし目まで進み…。
製図を見て、また悩む。
段数がおかしい…。
再度TEL。
「あ、そこまだ教えてなかった。」
…そりゃないよおかーさん……。
結局、直接教わることができる機会まで待って、ようやく形になった。
約二ヶ月の長き戦い。
こどものベストなのに!(超小さい)
夏前に始めておいて良かった。
とりあえず、冬には間に合ったな。
それでも、終わってしまうと他のものを編んでみたくなるのだから。
懲りないものだ。
モノづくりは、楽しい!
時間がかかりすぎるとか、買ったほうが安いとか、まずは目をつぶって楽しみたい。
趣味ってそういうものじゃない?
楽しい時間を過ごせる幸せ。
ニットカフェにも行ってみたいなあ。
豊かな時間を過ごす。
これ、人生の目標よね?
言い訳しつつ、新しい糸を買い込む。
次は何を編もうかな。