草食系の大作戦 -10ページ目

草食系の大作戦

草食系進化論

転機となった
きっかけには二人が関係している。

一人は両さん。将来の幹部候補である。長い研修から帰ってきて、仕事のイロハを教えてくれた。多分、両さんがいなかったら、俺は今の会社に残っていなかったかもしれない。
両さんの存在は非常に大きかった。
俺が尊敬する数少ない先輩の一人である。そんな両さんの存在に悩み、憎しみを抱く事になるとは思わなかった…

二人目は礼だった。
今までは、挨拶程度で連絡先も知らなかった。まともにしゃべったことなんてなかった。
転機は、朝の掃除だった。ローテーションの関係でガラス一枚はさんで、礼が目の前いる。言葉でのコミュニケーションはないが、お互いの笑顔がそこにはあった。夏の陽射しに照らされる礼の笑顔は俺を突き動かす原動力だった。礼の笑顔があったから、俺は頑張れた。

あんなに毎日笑いあっていたのに、今、あの笑顔は俺ではない、別の男の前にある。そんな事を考えると、涙が止まらない。

明日も今日と変わらない平穏な日だと、そしてこれからも、変わらない日が続くと一人で信じ込んていた。
配属先が発表され俺は、礼と一緒の支店になった。

ただ俺は社会人となり毎日苦痛の日々を過ごすことになってしまった。

営業マン…
商品知識もないまま、外にでていた。
当然、数字もあがらず、毎日支店長から罵倒される毎日だった。
ドラマの世界だけだと思っていたことが、現実におきている。
とにかく辛い毎日で、次第に俺は誰ともしゃべらないようになっていた…
いや
少しでも、しゃべれば怒られから
怒られない為に、そうなっていたのかもしれない。

当時の支店長とは相性が最悪だった
俺は目の敵にされ、何をしても怒鳴られ、時には、冗談ではあると思うだが、殴られ、首をしめられていた。
誰も助けてくれる人なんていなかった。

夏になり
転機をむかえた。
俺は、常に成績トップを争うようになっていた。支店長も何も言わなくなっていた。むしろ、褒め称えられ、ゴールデンルーキーとまで言われるようになっていた。

大人の世界を実感したときだった。

簡単に状況説明

まずは俺
社会人三年目の若造
スペックはいたって普通
ただ女性関係は年齢的に少ない
好きな人ができても、告白できない典型的な草食系。好きでもない人から告白されることがおおい。
兎に角、恋愛に臆病

相手は、礼
社会人四年目で外見はコアラっぽい
可愛らしいオーラが全身をつつんでいた。しっかり者で、仕事はきっちり仕上げるタイプ。恋愛は、自分からは、積極的になれないらしい
出会った時は、彼氏と別れて一年経っていた。

出会いは新人研修の時
礼先輩の発表の時だった
今思えば、この時から好きだったのだと思う。

出会ってから三年…
いろんなことがあった…
俺は礼の気持ちに気付かなかったのか、俺の勘違いなのか…

本当に大切なものって、失ってはじめて気付くものなんだって教えられた。