姉が、レコードプレーヤーをあげると言った

 

親父殿が亡くなった後

姉と二人、実家の片付けをしていたら

中高生の頃に買ったレコードが何枚か出てきたのだが

でもプレーヤーがないし捨てようかなと言ったら

あたしが使わないのがあるからあげると言って

後日持ってきた

 

しかし、ただでさえ家の中にガラクタ類が多いし

そこにこんなものを持ち帰ると、またカミさんの小言が…

なので、やっぱり要らないわ…と1度は断ったのだけど

姉も要らないらしく、持っていってよと言われ

結局もらってきた…

 

スーツケース型のケースに収まったコンパクトなもので

ION AUDIOというアメリカの会社の製品らしい

 

何故かBON JOVIとプリントされている…

調べたら、2018年のBON JOVIドーム公演

30周年記念モデルだとわかった

別にBON JOVIは好きではないが…まあいい

2018年ということは5年前のものだが未使用品だった

内蔵電池を持っておりUSBで充電して持ち運びが出来て

PCと接続して録音なども出来るようだ

一応しょぼいスピーカーも付いていて

単体でも音を出すことができるが

背面にRCAピンの出力があるし

操作面には3.5mmステレオミニ出力もあるので

ヘッドホンや外部スピーカーにつなげることもできる

ボリューム兼スイッチをひねるとターンテーブルが回りだす

では早速、実家から持って帰って来たレコードを聞いてみる…

懐かしい松田聖子のCanary

ジャケットは少し変色してしまっているが盤の状態は良い

若干だが塵が付着しているようでプチプチと音がする

盤の歪みも殆ど無く、カビも生えていない

こんな小さな針が、溝に刻まれた音を引き出すのは

理屈ではわかっていても、何だか不思議な気もする

次に、Night RangerのMidnight madness

1983年のアルバムで、横浜のタワーレコードで買った洋版

ちょっと埃が多くプチプチ音が耳に付く…

続いてOzzy OsbourneのBlizzard of Ozz

Ozzyは好きで、他にDiary of a madmanや

Bark at the moon, Ultimate sinなどもある

国内盤のこれは保存状況も最高で

プチプチ音もほぼなく、歪みもないし

ジャケットも綺麗

 

カセットテープに比べると

レコードの音はとてもクリアに聞こえる

みずみずしいというか、生きている音というか…

いまだにレコードの音が多くの人を魅了するのもわかる

しかも、およそ40年の時を経ても朽ちることなく

このアナログな仕組みの記録メディアから

こんなにも良い音が出てくるのは不思議だ…

 

くるくると回るレコード盤を見つめながら

奏でられる音楽を聞いていたら

事故で死んでしまってもう会えない友達と

一緒にBlizzard of Ozzを聞いたことを思い出した…

過ぎ去った40年間が余りにも速く感じられた

 

これを捨てようとしていたなんて…

ちょっと邪魔臭くもあるけど捨てなくて良かった…

一応、予備の針も買っておくか…

 

12/29追記

 

久しぶりにレコードを買った

30年振り?もっとか?

カセットテープでハマった達郎の2023リバイバル盤は

レコードバージョンもある

流石に全部買うのは不可能だが

とりあえず1枚だけ買ってみた

Ozzyやナイトレンジャーはハードロックなので

ディストーションの掛かったギターや

激しく叩かれるドラムなどで

音そのものの良し悪しが分かりにくいのだが…

この達郎のレコードを聞いてハッとなった…

レコードってこんな音が良いの…?

しっとりと湿ったような妖艶な音は

CDやデジタル音源に慣れた耳にさえ

「間違いなく」良い音に聞こえる

 

いや、もしかしたら良い音だと思い込んでいるからか…?

いやいや、プチプチ雑音は避けられないものの

確かにしっとりと良い音がする

難点はデジタル音源と違い

ハードウェアの取り扱いが難しいことだろう

埃は付くし横に置けば歪む

振動を与えて針を飛ばせば傷が付く…

 

このプレーヤーを引き取るのも一度は拒んだのは

カセットテープに続いてレコードにハマって

集めてしまうのが怖かったからというのもあるのだが

どうやらそれも避けられないような気がしてきた…