6月25日に鳴門市文化会館で行われた豊崎愛生3rdコンサートツアー THE KEY TO LOVINE 徳島公演に参加してきました。
私としては4回目の徳島遠征となり慣れている部分もありますが今回は会場が今までと異なる鳴門市だけに若干勝手の異なる部分もありました。
会場である鳴門市文化会館は徳島市の北側に位置する鳴門市の撫養町にあり、最寄り駅の鳴門駅から徒歩約15分・鳴門市役所前バス停から徒歩約10分・高速バスの高速鳴門バス停からだと徒歩30分ちょっととなります。
会館裏側には吉野川から分かれる撫養川が流れていて撫養川親水公園が作られており近くにはJ2徳島ヴォルティスのホームスタジアムがあるなど環境の良い会場と言えます、ただし先に書きました交通アクセスが思わぬ混乱を生じさせてしまった部分もあったようです。
私は横浜から高速バスで徳島に向かい高速鳴門バス停で下車。
歩くには遠いことは調べてありましたので電話でタクシーを呼んで会場に向かいました、車中で運転手さんから「今日は文化会館で何かあるのですか?他にも駅やホテルから会館へ向かう呼び出しがありましてね」と言われ「コンサートがあるんですよ」などと答えているうちに10分ほどで会場に到着したのが8時頃でした。
朝の時点で「今回はタクシーのお世話になる人が多くなるな」などと考えながら物販待機の列に並びました。
この週の後半は九州北部から中国地方で集中豪雨による被害が出ていて四国でも所により強い雨が降っており当日の天気が心配されていましたが朝の段階では雨は譜っておらず「湿度が高いものの日差しがないので並ぶには楽かもしれないな」という感想を持ちました。
鳴門市文化会館の建物は同じ敷地に鳴門市勤労青少年ホームという市の施設があり全体としては地方の公立中学か高校の校舎のようなイメージでこれまでの徳島でのライブで使われた徳島市立文化センターの典型的公共ホールといった外観とは異なる印象でした。
開場前に待機列を作り物販開始までの6時間余りを過ごすいつもの光景なのですが今回は途中何度か雨に降られました、思い返してみると4回目の徳島ですがライブ当日に比較的好天だったのは1回だけです。
今回の会場カラーは「グリーンなグリーン」、各会場「○○なグリーン」で統一されていますが今回は「?」が浮かんできそうなネーミングです。
予想された「スダチなグリーン」ではなく「グリーンなグリーン」とは何かというとスダチという意味も含むのでしょうがイメージ的には「抹茶スイーツ」を思わせる少し渋めのグリーンでした。
あと2公演も想像がしにくいですが神奈川公演は横浜と言えば海ですから「ブルーなグリーン」でしょうか?
今回はちょっとした行き違いの結果私は当日券での参加となりました、席は「な列」後方の舞台下手側でしたが舞浜昼公演が上手側夜公演が下手側のそれぞれ中段あたりでしたので毎回違う角度から舞台を眺めていることになります。
舞浜公演との見た目での違いは舞台にスクリーンを備えたセットが作らている点とバンドメンバーの配置が普段通りになっている点です。
会場内は客席が緩やかな階段状に配置されていて1階席・2階席という区別はありません、その意味で大まかな座席のイメージはかつての徳島市立文化センターと近いでしょうか。
舞台はやや奥行きが浅めな印象がありましたが左右壁際が花道状になっていて客席前方3割付近まで出てくることが可能になっています。
席に着いてみて感じたのは意外に傾斜が緩め・座席と座席の間隔が比較的広めに取ってあり中野サンプラザと国際フォーラムの中間ぐらいの印象・座席背もたれに透明なビニール製のカバーが掛けてあるのは比較的珍しい・歴史を感じさせる作りではありますが椅子や床などはしっかりメンテナンスが行き届いている、といったところでしょうか。
会場の外観・ホール内合わせての印象はどことなく昭和を感じさせる懐かしさがありました。
愛生ちゃんはノスタルジックな物や場所を好む傾向があるようです、今回のツアー会場では神奈川県民ホールと中野サンプラザは以前に「使ったことのあるライブ会場で好きな場所」として挙げていたことがありましたし会場選択も愛生ちゃんの趣味が反映されているのかもしれません。
そろそろライブの内容にふれましょう、セットリスト全体の流れはツアー共通ですので会場限定曲が話の中心となります。
舞浜公演の記事で以降の会場限定曲予想を書いてみたのですがこの徳島公演は最も予想しやすい公演でした。
会場限定曲は毎回2曲なのですがそれに対して予想される候補が君にありがとうただいま、おかえりlove your lifeの3曲というのは多くの方も同じだったかと思います。
あとはどの曲がどちらのタイミングで唄われるかですが私も含め多くの方の予想は「君にありがとうは会場が静かになってしまうだろうからアンコール2曲目でほぼ確定、予想の焦点は6曲目がlove your lifeただいま、おかえりのどちらになるかだろうな」というところだったでしょうか。
そういったわけで5曲目ポートレイトの後限定曲につなぐMCで何が語られるかに注目していた方が多かったと思われます。
会場限定曲1曲目前のMCが「徳島は私の地元です、ここで高校生まで暮らしていました」という入りだったのでオープニングでの「おかえり~ただいま」の流れを受けて「ここにまた帰ってくることができて…」と続いてただいま、おかえりになるのか「地元といえば原点です、初めてソロとしてステージに立ったのはマチアソビのイベントで眉山のステージでした…」と続いてlove your lifeになるのかどちらなのだろうと息をのんでいました。
ところが実際は「徳島にいた子供の頃ずっと柴犬を飼っていました」、このエピソードを初めて聞く方は「へぇ、柴犬飼っていたんだぁ」という反応なのでしょうが話の全体像を記憶しているベテランファンの多くは「えっ、ここでそうつなげちゃうの?」という驚きで口を開いてステージを2度見して声が出るのをこらえたのではないでしょうか。
「ここでそうつなぐと会場シーンとしちゃうけど、次おさんぽの唄だよね。どう収拾するつもりなんだろう…」という心の声を聴くうちに曲名が告げられると会場から微かなどよめきが起きました。
恒例といえる籠島さんのピアノだけの伴奏での君にありがとう、もはや「徳島限定曲」と呼びたくなるレア曲にして指折りの名曲です。
私が徳島公演に遠征するモチベーションの半分を占めているといっても過言ではないですし同様な方が他にもおられると思います、そんな方々のすすり泣きや号泣が会場に流れましたが初めてこの曲を聴く方には「なぜ泣いてるの?」と思われたかもしれません。
曲が終わり1瞬の静寂からの拍手、「素晴らしい1曲でした」は良いのですが次はおさんぽの唄だけにこのシリアスな空気をどうするのかと思ったらバッサリと切り替えてバンドメンバーがステージ中央に集合し緩い流れに。
結果として考えると君にありがとうからのこのシリアスな空気が長く続くのがどこか照れくさいと感じたから6曲目にしたのかもしれません、アンコールだとラストへ向かう中で空気をガラッと変えてリラックスという訳にはいかないでしょうから。
舞浜など時折ある歌詞の間違いなどのトラブルもなく無事本編を終了しアンコールへ。
musicのクラップで会場を暖めたところで会場限定曲2曲目の振りのMCへ、アンコールでもう一度ステージに戻ってきたことをただいまにつなげるのかな?と思っていたら「今回のツアーはアルバムを引っ提げてのツアーですが原点を振り返れるような曲もセットリストに組み込んでいます」という流れでしたので「そう来るんだ、今回はここでlove your life か」と軽くうなずいているあいだに曲名が告げられ今回は歓声が控えめに上がりました。
デビューシングルというのは特別な意味合いがあるだけに、レギュラー曲から外れ会場限定曲に組み込まれることには何とも言えない思いがあります。
スフィアのFuture Streamも同じような位置付けになってきつつあり「特別な公演に用意される特別な1曲」という響きは悪くないのですがやはり原点なだけにレギュラー曲に入っていて欲しいものです。
love your life は特別な1曲とはいえ感涙というタイプではないのでクラップで会場が一つになるというmusicの流れを受け継ぐ形でアンコールが進んでいきました。
つつがなく進行したアンコールでしたが徳島公演は帰りの交通事情が厳しいためかアンコール待ちで帰途へ着く人がいつもより多かったように思われますし無理をしてギリギリまで見ていたと思われるアンコールの会場限定曲終わりで席を立つ人もパラパラと見かけられました。
ライブ開始前の物販待機を「前哨戦」などと表現する場合があります。
orbitツアー徳島に代表される準備数の少なさからくる早すぎる完売・SPLASH MESSAGEなどの豪雨・チョコ祭り2014やlove your Live徳島の雪と過酷な状況にさらされることが多々ありましたが今回の終演後は別の意味で過酷な状況が参加者を待っていました。
状況を一言で言うと「終演時点で公共交通機関がほぼ無い」ということです。
終演時刻は20時20分頃ですがこの時点で最寄り駅である鳴門駅から徳島駅へ向かう電車は21時02分の最終列車のみです。
会場から徒歩15分余りの距離が最寄り駅ですから最終には間に合いそうだと思われますがもう一つ問題がありました。
それは鳴門線を走る列車は最大3両編成ですが1両の場合も多いということとどこの路線でも最終列車はその前の便より混雑するということです。
現実問題として最終列車を目指してどれくらいの人が鳴門駅に向かったのかはわかりません、しかし駅の1日の平均乗降客数の倍以上のキャパシティーの会場の観客の結構な割合が向かっていた訳ですから平均乗降客数に匹敵する人数が1度に駅に押し寄せたと見てよさそうです。
その結果として券売機が発売中止となり、さらに入場はできたものの最終に乗り切れない乗客が発生して駅周辺はちょっとしたパニック状態だったようです。
券売機の発売中止は珍しい事態ですが用紙が切れるというのも考えづらいので釣銭切れかと思われます。
ちなみに会場から徳島駅に向かうには10分ほど歩いて市役所前からバスに乗るという手段があるようですが土曜ダイヤは20時ちょうどが最終のため間に合いません。
徳島駅ではなく本州方面へ向かう手段としては私が朝降車した高速鳴門バス停から夜行バスに乗るということになりますが、公演後に乗れるのは大阪方面へは21時10分の1本・名古屋方面へは23時台に1本・東京方面へは21時台と22時台に各1本となります。
高速バス利用組・鳴門駅周辺宿泊組・マイカー遠征組、これらが合わせてどれくらいいたかは不明ですがそれ以外の人々が一斉に鳴門駅へ向かえば最終に乗れなくなることは想像されてはいました。
ただし終演時間が20時30分以前だったことが多くの人に「まだ間に合う」という心理を呼んだようです。
そこで私は公演前にネットを通じて徳島駅へ向かう人を募りタクシーに相乗りの計画を立てていました。
同行者の御一方がタクシーを予約してくれたおかげでスムーズに徳島駅へ向かうことができたことに感謝したいと思います。
ただその途中何度も運転手さんのスマホに呼び出しが入り、信号で止まるたびに対応に追われるような感じでした。
どうやら駅周辺からの配車依頼がタクシー会社の処理能力を超えていたようでした、同じイベントの参加者の一人として鳴門市の皆様にお騒がせしたことをお詫びいたします。
れば・たらを言っても始まりませんが終わってから考えればあの会場は昼公演の方が様々な意味で楽なようです、せめてあと1時間開演時刻が早ければあそこまでゴチャつかずに済んだような気もします。
最後に全体を通して感じたことを振り返ってみましょう。
舞浜公演と比べて変化が感じられたのは曲中の振りというか動きに回転が少ないかなという点でしたがこちらが本来の形なのかもしれません。
舞浜ではステージ上後方にMブロックがある360°ステージだっただけにあえて回転する動きを多く取り入れていたものと思われます
今回のツアーではセットリスト・MCを通して春風のところで「皆さんここからが盛り上がるところですよ」と明示する試みがなされていますが、元来愛生ちゃんは「この曲は座って聴くべき」「この曲はペンライトを振る曲」「この曲にはコールを」などというお約束を押し付けるのはあまり好まないようで「それぞれのスタンスでリラックスして楽しんで欲しい」という意識があるようです。
だから9曲目以前の曲に関しては「立つ・座る」「ペンライトは何色か?あるいは点灯するか否か?」などは個人の感性に任されていると言えます、私は徳島では周囲の席が空いていたため1曲目jから立ってペンライトを点灯し多少大き目の動きで振ることを選択しましたが座って聴きいってももちろん良いと思います。
徳島では終演後の3本締めが行われなかったのですが「あることの方が多いからないと寂しい」「無い方が感動の余韻が味わえて良い」と賛否両論のようです。
行われなかった理由はおそらく先に書いた交通事情の厳しさから気持ちが焦っていたからでしょう、舞浜の時私が「無くても良い」と書きここまでの4公演の感想として「やめたほうが良いのでは」という意見を述べた方もいたのですがそれらがさほど大きな影響を与えたわけでもなさそうです。
アンコールを待つ間に関しては何らかの形で意思表示をして欲しいところですが3本締めに関してはこのツアーに関しては愛生ちゃんの意図を汲んであえて「これが良い」とは言わず個々人の感性に委ねるということで良いかなと思っています。
いつものことながら気が付いたことを書き止めようとすると問題点・反省点を挙げているように思われますが今回のセットリストは私のようなベテランに類するファンには「今回のツアーで最高の映像化で残らないのがもったいない」レベルの満足度でありました。
「日程的に忙しかったけど無理して来て良かった」と自信をもって言える公演でした。
最後に改めてこの2日間に関わった皆様ありがとうございました。
ツアーも残り2公演次は私の地元である神奈川県民ホールでの公演です、気分的には各地から皆さんを横浜市民の一人として歓迎するつもりで楽しみに待つとしましょう。

今回も最後まお読みいただきありがとうございます。それでは今回はこのあたりで。