こんにちは、数学好きの独り言です。

整数シリーズ第六回は東大模試の問題を扱います。

 

東大模試とは各予備校が開催している大学名の名前を冠した模試のことです。特徴としてはその大学の過去問や傾向を踏まえ全く同じ形式で問題が出題されます。その中でも東大模試は頭一つ抜けて難しく、数学の平均点が2割3割であることも珍しくありません。(最近は入試本番の方が難しくなっていますが…)


今回は2025年度に実施された東大模試の良問を解いていきたいと思います。

 

(問題)

a を1桁の正の整数とし、各位の数がすべて a である n 桁の整数を と表す。

例えば、  5555 である。以下では、n , p , q はいずれも2以上の整数とする。

 

(1)p^q + 1 =   を満たす組は存在しないことを示せ。

(2)p^q + 1 =   を満たす組を求めよ。

 

なかなか骨の折れそうな問題です。それでは解いていきましょう。

まずは(1)から。状況把握から行いましょう。記号の意味を理解するところからですね。右辺は n 桁の5が並んでいるということです。左辺は何かの累乗に1を足す操作です。ぱっと見何個あってもおかしくないような気がします。ただもちろん存在しないことを示すので、実験して何か掴むしかないですね。整数の三大解法に基づいて解いていきましょう。

 

いろいろ値を代入して確かめていきます。n を起点にすると考えやすいですね。2,3を代入した後に、p が偶数じゃないといけないことに気付くと思います。右辺が奇数であることから当たり前ですね。因数分解はどうでしょうか。できなくはないですが、今回は違いそうですね。不等式での評価も両辺に変数があることから難しそうです。ということで倍数余りに注目しましょう。

 

右辺が5の倍数であることは自明なので、mod 5 で考えてみましょう。左辺が5の倍数になることは…あり得ます。q が奇数の時はならないですが、偶数の時は5の倍数になる可能性がありますね。別の mod で考えましょう。ここで p が偶数であるということを利用すると、mod 4 で考えるとよさそうです。なぜなら q は2以上の整数なのでちょうど p^q が消えてくれます。よって左辺を4で割った余りは1です。

次に右辺について考えてみましょう。ここで知識ですが、4で割った余りを考えるときは下2桁だけ考えればおっけーです。なぜなら100以上の桁は 4 × 25 のようにして必ず4の倍数になっているからです。よって右辺の余りを考えるとき、下2桁の55だけに注目すればいいということです。( n は2以上の整数)そしてこの余りは3になります。左辺が1になるのに対し、右辺は3になるので矛盾しますね。よってこの等式を満たす組は存在しないことが証明できました。

((1)終わり)

 

つづいて(2)です。

分かりやすくするために1を右辺に移項しておきます。同じ形の問題なので(1)と同じ考え方をしてみます。mod 4 をとると…うまくいかないですね。右辺も4の倍数になってしまいます。なぜ上手くいかなかったかを考えてみましょう。(1)では右辺が4で割り切れなかったため矛盾が起きていました。ということは同じように偶数に注目してあげて mod 8 をしてあげればいいのではないか…?と思えたら勝ちです。矛盾がおきるまでこの流れを繰り返せばおっけーです。

 

これを考えるにあたって次の事実を利用しましょう。

2^n で割った余りは下 n 桁で決まる。

考えてみれば当たり前です。(1)では n = 2 でした。

 

mod 8 では下3桁を考えればよいということです。よって右辺は776になります。これは8の倍数なので上手くいきませんね。次にmod 16 を考えます。右辺は7776ですが、これも16の倍数なので上手くいきませんね。次はmod 32 です。右辺は77776ですが、mod 32 で 77776≡16 となります。もし q が5以上なら、左辺は32の倍数になるので矛盾します。よって n , q がともに5以上の時は存在しないことが分かりました。

 

あとは一つづつ代入していきましょう。n の候補は2,3,4しかありません。代入して求めてみると、( n , p , q ) = ( 4 , 6 , 5 ) が解となります。

(解説終わり)

 



いかがでしょうか。なかなか手強い問題でしたね。ただ(1)をヒントに手を動かしていけばきれいに解くことができました。

次回は京都大学の問題を解きたいと思います。それでは!