こんにちは、数学好きの独り言です。
整数シリーズ第四回は東工大の問題を扱います。
かなり前の問題ですが、良問として今なお参考書や問題集で取り扱われています。
東工大(現在は東京科学大学)は一問一問が重いことが多いです。今年も整数問題が出ましたが、解き切るのは非常に難しい問題でした。今回扱う問題は時間こそかからないものの、整数問題で必要になる重要な考え方が含まれているのでしっかり演習しておきましょう。
ということで今回は1986年の東京工業大学の問題を解きたいと思います。
(問題)
整数 an = 19^n + ( - 1 )^( n-1 ) 2^( 4n - 3 ) のすべてを割り切る素数を求めよ。
とてもシンプルな問題ですね。では解いていきましょう。
まずは文意を確かめましょう。すべてを割り切るとはどういうことでしょうか。これはどんな n に対しても an を割る素数は存在するか?という問題です。まだよくわかりませんね。実験していきましょう。a1 = 21 a2 = 329 になります。この二つを同時に割れる素数は何でしょうか。これは7だけになります。よって答えは7です、と言いたいところですが、必要条件であることに注意しましょう。具体例から候補を絞ったので、本当にすべてを割りきれるか確かめなければなりません。よってそれを証明していきましょう。
証明すべきことは、すべての an が7で割り切れることです。帰納法でも解けると思いますが、今回は mod を使った式変形で解いていきます。ポイントは後半の 2^( 4n - 3 ) の扱い方です。これを変形します。このままでは扱えないので、2^( 4n - 3 ) = 2×2^( 4n - 4 ) とします。すると、2^( 4n - 4 ) = 16^( n - 1 ) とすることができます。mod 7 でさらに変形すると、16^( n - 1 ) ≡ 2^( n - 1 ) とてもきれいな形になりました。
あとは前半も変形します。19^n ≡ ( - 2 )^n です。よって、an ≡ ( - 2 )^n - ( - 2 )^n ≡0 ( mod 7 ) となり、すべての an が7で割り切れることが証明できました。
(解説おわり)
いかがでしょうか。解法はとてもシンプルでしたね。解説を見るだけだと簡単そうに見えますが、実際に手を動かしてみると式変形がうまくいかないということもあるので、ぜひ自分で手を動かして解いてみてください。
次回は1990年の数学オリンピック予選問題を解きたいと思います。整数のテクニックを駆使するので楽しみにしておいてください。それでは!
