柿が美味しい季節になりました。
柿の木は、日本の気候にとてもあっている果樹で、北海道以外どこでも栽培されています。
お庭に植えている家はとても多く、日陰にも強いので、
庭先や玄関、日の当たらない裏口などでもそこそこ育ちます。
一本で結実する雌雄同株で、とくに手をかけなくても勝手に成長して知らない間に花を咲かせ、
そして寒くなるといつの間にか、オレンジ色の実を鈴なりにつけている・・・
そんな感じで日本において、柿はとても身近な果物です。
調べてみると、岐阜県瑞浪市の第三紀層から柿の化石が見つかったという記録があることから、
人類誕生以前から日本には柿があったことがわかります。
古事記(712年)や日本書紀(720年)の中で「柿」のつく地名がいくつか記録されており、
万葉集に多数の秀作を残している歌人・柿本人麻呂は、屋敷に柿の木があったので柿本と名乗っていたと言われています。
古くからあったのは全て渋柿で、甘く美味しくいただくには干し柿にする必要がありましたが、
1214年鎌倉時代、神奈川県川崎市において突然異変で甘柿が発見され、干さなくても食べられるようになりました。
以来、日本の気候にあっていた柿の木は交雑種がたくさん生まれ、さまざまな地域で生産が盛んになりました。
有名なあんぽ柿は、福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ:旧伊達郡五十沢村)で生まれた干し柿で、
半分生のようなジューシーさと、羊羹のような柔らかさが特徴です。
国を代表する果物を、国果といいます。 国旗は日の丸、国花は桜、国鳥はキジ、、
そして国果は柿なのです。日本が誇る果物・柿(かき)は、学名ではDiospyros kaki世界に通用する名となっています。
日本で超のつく有名な俳句があります。
柿食えば
鐘が鳴るなり法隆寺
【正岡子規】
明治時代初期の俳人・正岡子規は、柿がとても好きだったことが知られています。
「柿食へば・・・」は奈良県の法隆寺を訪れた際のもので、
これ以外にも、柿を詠んだ句をたくさん残しています。
柿を食うことと、法隆寺の鐘の音とどのような関係があるのかということは、
非常に日本人的な感じ方・感覚的な理由によるもので、言葉にすると陳腐になってしまいます。
「畳の上に正座して、じっと考えるとわかるかもしれない理由」ということにさせていただきます。

