梅雨の真っ最中のはずですが、関東地方は昨日も今日もいいお天気です。
「梅雨の中休み」と言われますが、
今年は雨の日と夏日が交互にやって来ているという感じですね。
いつも花や蝶の写真を撮りに行く里山です。
春に若草色の短い姿だった草が、すっかり背が高くなりました。
青々と、そしてたっぷりと生い茂っています。
夏になると、乾燥と日照りによる疲れが草の葉の色にも表れてくるので、
水けをたっぷり含んだ空気の中で
生き生きと輝くみどりの葉が見られるのは、今しかありません。
梅雨の合間の晴天日は、一年中でもっとも緑が美しいときなのです。
夏草は 心のままにしげりけり
われいほりせむ これの庵に
【 良寛 】
夏の野の草が思いのままに茂る、
荒れてはいるが気兼ねのないこの場所に、私は住んでいます。
この(粗末な)庵に。
4年前に読んでいた「大愚良寛」にあった良寛さまの和歌が、頭に浮かびました。
良寛さまは、出雲崎という海沿いにある町の生まれです。
海の風景を見ながら育ちましたが、
修業時代を経て晩年は、雑草の生い茂る山の中に住むことを好み、
小さな庵で質素な暮らしをしました。
残された書や和歌、漢詩など、名作と言われるもののかずかずは、
そのほとんどが、山の中の草深い庵で生み出されたものです。
海から生まれた生命はあるとき、陸に上がり、
夢のような短い一生を終えると、肉体は土にかえります。
独論なのですが、
「海」は、生命が生まれた場所への郷愁を呼び起こし、
「山」は、自分自身が奥深く持っている真実を象徴的に表しているように思います。
草深い山の中の庵は、本来の自分自身に戻るのに最も適した場所です。
ここで良寛さまは、自分の中の真実に何度も遭遇し、
書や和歌・漢詩という形で、表現したのではないかと思います。
